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「……今日は何の用事だ?」

『この間の大火事で燃えた会社の跡地へ行きたいのよ』

「この間の?……第8が調査した会社の事か?」

『そう。私も調べたくてね…聞けば警備が厳しくてこっそり入る事が出来ないようだから。堂々と許可を取って入りたいの』





こっそり入るつもりだったのかと
苦笑いした紺炉だったが
顎に手を当てて何やら考えていた





『貴方、中隊長でしょ?その権限で私も彼処へ入れて欲しいのよ』

「……つっても…此処は若の町だ。俺単独の判断じゃあ何も言えねェな」

『……意外としっかりしてるのね』





チャランポランなイメージの新門紅丸だったが
その下で働く相模屋紺炉が
ほぼ指揮を取っていたのかと思っていたが
こう言った小さな事でも
長の許可を取る第7はしっかりしていると思った




「若に聞いてみねェと何も言えねェな」

『……だったら早く呉服屋へ案内してくれる?』

「呉服屋?」

『さっきのオヤジさんが言ってたの。私が彼処にくる少し前に呉服屋の娘に捕まって出て行ったって』





紺炉はあの娘か…と呉服屋へ向かう途中で
その大荷物を詰所に置いて来たらどうだ?と
提案する

大切な物が入っているの。手放したく無いわと
言って眉尻を下げたAに紺炉は
ため息をついてキャリーケースを持ってやる

一瞬キョトンとしたがニッコリ笑って
ありがとうと礼を言った





「嬢ちゃん皇国の人間だろ?よく和服なんて持ってたな」

『別に皇国の人間じゃ無いわよ。太陽神も聖陽教にも何も捧げて無いしね』





和服は頂き物よ、と言って微笑む彼女は
やはり何処か大人びていて調子が狂う

その後呉服屋へ行ったが紅丸はおらず
詰所に帰ったと娘に言われた


最初から詰所へ戻っていれば良かったと
過去の自分を殴りたい気分になった


そしてようやく詰所へ訪れれば
上がり框に腰をかけて靴を脱いでる所の
新門紅丸を見つけた





「若…随分探しましたぜ…」

「……なんか用事か?」




何処となく疲れている様子の紺炉に
何かあったのかと思えば
紺炉の後ろからヒョコリと何かが見えた





「………お前ェは…」

『ちょっと顔、貸してくれるかしら?』

「あ?」




…と、冒頭へ戻る。

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ゆー - アアアアア紺さんと紅ちゃんも来たヨォ最高 (2020年12月3日 22時) (レス) id: a1e8810d71 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます(^^)楽しんで頂けて幸いです!このご時世ですからね…今の所体調不良は無いですが私のペースで更新しますので何卒宜しくお願いします (2020年9月9日 16時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - とても雰囲気が好きです!前作に引き続き、楽しませてもらってます。こんな世の中なので健康に気をつかいつつ、更新頑張ってください! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 23cfa4baa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年8月31日 13時

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