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勝負は呆気なく終わった

一勝負の予定だったが気がつけば
3回、5回……10回と数を重ねて行った

驚く事に全ての勝負をAが制した


彼女の周りには積み上げられたコマ札が並び
向かいのオヤジは顔面を青くして
母ちゃんに怒やさせる…と頭を抱えていた

けつの毛まで剥かれたのはオヤジさんの方だった

周りの野次馬はゲラゲラ笑い
まるでお祭り騒ぎになっていた

Aをここまで連れてきた火消しの2人は
何が何だが分からず
ただ目の前の光景から現実逃避をしていた





『さぁ、時間が惜しいわ。約束通り教えて頂戴』




懐中時計を取り出して時間を確認して
まるで悪魔の笑みを浮かべてオヤジさんを見た

オヤジさんが何かを言いかけた時
野次馬を掻い潜って誰かがやってきた





「オイお前ェら…これは一体なんの騒ぎだ…」


「こ、紺さん!?」

「紺炉中隊長!」


『……あら』





何と騒ぎは賭博場の外まて続いており
灰島から帰ってきた紺炉が不思議に思い
もしやまた紅丸が何かをやらかしたのでは?と
思い、野次馬を掻い潜ってやってきたは良いが
そこに居たのは紅丸ではなく
以前科学者のヴィクトル・リヒトと共に
詰所へ訪れてきた幼女がいた





『……手間が省けたわね』

「お前ェは…あの時の嬢ちゃんじゃねェか……何でこんな所に………」




チラリとAの後ろで呆けていた
火消し達へ紺炉が視線を向ければ
滝のように汗を流して彼女がどうしても
此処へ来たいと駄々をこねたと弁明した




『彼らは何も悪く無いわ。私の我儘に付き合ってくれただけ』

「………まさか、賭博しにやって来たんじゃねェよな?」

『まさか、そんな訳無いでしょ』




これはただのお遊びよ、と言って
持ちきれない程のコマ札の中から
自分の持ち金だった分を取って
後は貴方達へあげると言って
スタコラサッサとその場を後にした

そのコマ札を巡ってまた大騒ぎになったのは
言うまでも無い

騒ぎの原因を作った彼女はすぐにお金を換金して
ゴロゴロと大きなキャリーケースを持って
紺炉と共に賭博場を出た

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ゆー - アアアアア紺さんと紅ちゃんも来たヨォ最高 (2020年12月3日 22時) (レス) id: a1e8810d71 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます(^^)楽しんで頂けて幸いです!このご時世ですからね…今の所体調不良は無いですが私のペースで更新しますので何卒宜しくお願いします (2020年9月9日 16時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - とても雰囲気が好きです!前作に引き続き、楽しませてもらってます。こんな世の中なので健康に気をつかいつつ、更新頑張ってください! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 23cfa4baa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年8月31日 13時

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