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男はのそりと起き上がりベッドへ腰掛ける
そして幼女の左側の三つ編みを手に取り
其処に唇を落とした

そして別に変じゃねェよ、と言って
そのまま後ろへ倒れた




『貴方の機嫌が治る頃帰って来るわ』

「…………なぁ、A」

『…………何かしら?』

「いつになったら"こっち"に堕ちるんだ」

『………さァ…どうかしら?貴方次第じゃ無い?』




クスクス笑ってベッドの横を通り過ぎる
天使のような悪魔

心の中で舌打ちをして寝返りを打つ男の目に
飛び込んだのは目を疑うような物





「ちょっと待て、何だそれ」

『仕事道具よ』




ガラゴロと幼女にしては大きなキャリーケースを
引っ張るAを見て引いてしまった





『手に入れた情報はその場で解析してもう浅草へ立ち寄らなくていいようにしたいの』




だからってそんな大荷物はねェだろ
とは言えなかったジョーカー。




『じゃあ行って来るわ、ジョーカー』




ガラゴロと大きなキャリーケースを引きずって
Aは再び浅草へ向かった




ムカつく程いい天気な景色にウンザリするA

彼女が歩けば引きずっているキャリーケースが
ガラゴロと後を付いて来る

相変わらず浅草は賑やかで
煩いのが苦手…嫌いなAはそれだけで
嫌気が差してしまう



早く浅草を治める新門紅丸を探して
会社の跡地へ入れる許可を貰わないと…





『ごめんなさい、少し尋ねても良いかしら?』




運良く火消し羽織りに腹掛けをしている
2人組を見つける。

彼らは第7特殊消防隊の隊員だろう

男達は何だと振り返れば大荷物の幼女が
其処に立っていた





『新門紅丸大隊長にお会いしたいの。何処へ行けば彼に会えるかしら?』

「若に?」

「あー…今の時間はきっと散歩してるぞ」

『……さ、散歩?』

「なんだ嬢ちゃん、若に何の用事だ?」

「急ぎか?」

『そうね、急ぎの用事だわ。……なら中隊長さんは何処かしら?』

「紺炉中隊長なら詰所に居るんじゃねェか?」

「いや、今日は灰島に薬を取りに行くって言ってたな…」

『…………』




男2人はあ、言ってたな。と
顔を見合わせて笑っている

Aとしては全く笑えない状況なのだが
大隊長は散歩で何処に居るか分からない
中隊長は灰島へ薬を取りに行って居ない

早速出鼻を挫かれゲンナリしていたA
懐中時計を取り出して時間を確認する

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ゆー - アアアアア紺さんと紅ちゃんも来たヨォ最高 (2020年12月3日 22時) (レス) id: a1e8810d71 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます(^^)楽しんで頂けて幸いです!このご時世ですからね…今の所体調不良は無いですが私のペースで更新しますので何卒宜しくお願いします (2020年9月9日 16時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - とても雰囲気が好きです!前作に引き続き、楽しませてもらってます。こんな世の中なので健康に気をつかいつつ、更新頑張ってください! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 23cfa4baa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年8月31日 13時

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