沈黙のアレキサンドライト (ページ7)

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「クロム、アレキ。テメーらには全部話しといた方がいい。3700年前に何が起こったのか、崩壊前の世界の事をーー」

その後真剣な表情で語られた世界の真実。

見た事も聞いた事もない、まるで百物語を
聞いているかのようだった。

近代文明は全人類の石化によって断たれてしまった
千空はその石化からの復活者だと言う。

千空の話が9割程終わった頃
クロムの瞳からは涙が流れ続けていた。

「………なんでいきなりガン泣きだよ。どうなってんだテメーの情緒。」

『クロム、床に鼻水垂らさないで。汚い……』

「泣いてねーよ！！いや、クッソ泣いてる！！あとアレキ！もっとこう…言い方ってあるだろ！！何で千空からこんなヤベー話聞いて無表情なんだよ！？」

『何言ってるの？充分驚いてるよ。もうびっくりだよ』

「お前の表情の無さにビックリだよ！！」

人一倍リアクションが大きいクロムに対して
アレキは表情筋が死んでいるので
リアクションはこれでもかと言うほど薄い。

対照的な２人を見る千空の目はドン引きだ。

クロムは悔しいのだ。

人類が築き上げてきた科学文明が
無くなってしまった事に。

アレキは心配なのだ。
これ以上自分の部屋がクロムの鼻水で汚れるのが。

しかし千空は自分とクロム、アレキが
生きている限り科学は失ってはいないと言う。

『(私はいつの間に科学使いになったのだろう…)』