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千空は科学倉庫と同じ造りの建物に
無遠慮に上り込んだ。
が、そこには誰も居なかった。

あるのは机と椅子。

棚には色々な薬草、調合された薬、
小さな石器の数々が陳列されていた。


「(センブリ、カンゾウ、オウレン……っ!?)」


棚にある野草を1つづつ見ていくと
急に目の前が真っ暗になった。

目には人の手の感触
そして首元には冷たい何かが当たっている。


「っ…(全く気配、音すら聞こえなかった)」

『……大きな声を上げれば二度と喋れなくする。…私の大事な場所に無断で入ったお前は誰だ?』

「…あー…お前が噂の"アレキ"か?」

『生憎、不法侵入した輩に名乗る名前は持ち合わせてない。…お前、何者だ?』

「ククク…まさか"薬師"が女だったとはな…」

『質問にだけ答えろ。素性の知らないお前など私は容易く殺せる』


ここ最近は本当に何度も殺されかける。
いや一度は死んだのだが、そう何度も
頻繁に命を狙われてはたまったものじゃない。

さて、穏便に且つ手っ取り早くコイツを
引き剥がして科学王国民にしたい所だが…


「まてアレキ!千空は泥棒ではない!!」


第三者の声が入り口から聞こえる。
一歩でも入るとアレキの逆鱗を受けるので
入り口付近にてコハクが呼びかける。


『……………コハク、お帰り』

「ああ!ただいま!!」

『珍しいね。朝帰り?』

「実は道中で「おい、テメーは俺を拘束したまま呑気にコハクと話すんのか?」…………アレキ、千空を離してやってくれ」

『…………コハクの拾い物?』

「話せば長いのだ。」

『…………………』


少し何かを考えてからアレキは
千空から身を引いた。


『コハク、得体の知れないモノを拾っては、ダメ』

「俺は勝手に拾われたペットかよ」



自分の喉を触りながらコハクと
紅い髪の少女を見た。

クロムやコハク達と違い
手の指まで隠れる長い服。
長い紅玉の髪に翠玉の瞳。

コハクの言っていた「一眼見ればわかる」
とはこの事だったのだろう。

右手には先程千空の首元にあった
極細の石器ナイフが握られている。

服から覗く腕は細く
筋肉量は無い様に見えるが
音がしない移動の仕方に一瞬で人の背後へ周り
視界を奪うスキルには驚いた。

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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年2月5日 2時

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