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「でも安心しなよ。引くほど元気だからさ。特に大樹ちゃんなんか底なしの体力!知ってんだろ?"千空ちゃん"。」
名前を教えたつもりは無いが
あさぎりゲンは千空の名前を知っていた。
情報の出所はもちろん……
彼は獅子王司の手先であると確定した。
「長髪男の手先確定だ!殺すか!?」
『まってコハク。この男を殺してはダメ。彼が向こうへ戻らなければこの村は長髪男によって制圧されかねない。』
「ああ、アレキの言う通りだ。あさぎりゲン、テメー100億%カマかけに気付いてて何で急にアッサリ司の仲間だって認めた?」
「情勢が変わったんだよ。こいつを見たからね」
製鉄炉。鉄を精製する。
あさぎりゲンの仕事は千空の死の確認。
司の考えはもし仮に千空が生きていれば
小さな村を見つけて
文明を築いてしまうかもしれない
その為に人の心理を読むことに長けた
あさぎりゲンを送り込んだ。
これで彼は千空は生きていると報告すれば
必ずこの村共々消炭にされてしまう。
しかし、千空は死んでいると報告すれは
村も千空も無事でいられる。
あさぎりゲンは迷っていると言う。
鉄の武器が出来れば勝敗は分からない
彼は誰を切ってでも勝ち馬に乗ると言った。
『(そうは言っているが、この男……もうとっくにどちらに付くか決めている)』
柳緑色の瞳がキラリと光る。
あさぎりゲンが敵国のスパイなのは確かである
が、アレキはこの男の心が
もうこちら側に傾いている事はわかっていた。
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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年2月5日 2時