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よく晴れた初夏の青空
今日も今日とて平和な日だ。
いつもと違う所は青空に向かって
何やら黒い煙が登っているくらいだ。

仰向けに寝転がり深呼吸を繰り返す。


『(ああ、今日もいい天気だ…)』


「テメー、アレキ!何サボってんだ!!」


拝啓、亡くなった両親へ

私は今、製鉄という名の過酷な
労働をさせられております
私のアイビーの様な腕は
もう使い物にならなくなりました
猛獣並みの力を持つコハクがいても
砂鉄という名の砂が溶ける事はありません


『微生物並みの腕力を持つ私が、果たして彼らに何かしてあげられる事はあるだろうが?いや、無い。ここは大人しく…「子供のスイカが頑張ってんだぞ!」……ったく、うるさいなクロムは』


ただいま製鉄の真っ最中

竈門の中に空気を送り込み中の炎の温度を
1500度まであげようと試みているのだが
その鬼の様な作業にいち早く音を上げたのは
最年少のスイカでなく、Aだった

力仕事に関して全く役に立たないで有名なのだが
人手の足りない今、微生物並みの腕力でも
欠けてはならないのだ

のそりと上半身を起こして再び竈門へ空気を送る


そもそも、もう腕が上がらないのに千空が
数十時間空気を送り込むとか言うからだ

体力と共にやる気も消え失せてしまった


アレキが加わると交代でスイカが倒れた
無理をするなアレキが2人分カバーすると
コハクに言われた時はこの竈門を
ぶっ壊してやろうかと思った

それくらい心の余裕が無くなるくらいハードなのだ
この製鉄という作業は。


結局1夜中空気を送り込んだが
砂鉄は砂鉄のままだった。


「人手(マンパワー)が最優先だ」

「科学王国民を増やすっきゃねぇー」


そうは言っても村の住人全員が快く
製鉄に力を貸してくれるわけがない

そこでスイカが村へ調査に行った
科学の力で欲しいものがあればそれを餌にして
科学王国民に引き入れる作戦だ

考えがゲスすぎるが疲れていて
突っ込む気力すら無かった。


『ルリん所行かなきゃ………』

「おぅ!今日の診察か?」

『ちょっと席外すね……』


フラフラ立ち上がり自分の薬剤室へと歩いていく
汗でベタつく身体が気持ち悪い
ルリの所に行く前に水浴びをしないと

こんな状態で病人の前には出れない
それに護衛のあの2人がこんな姿のまま
巫女様の元へ通してくれる訳がない

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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年2月5日 2時

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