弱音なんて… ページ33
ローの話によると、
ペンギンが海岸で私を見つけてから
意識が戻るまでは2時間ほどだったらしい。
何日も寝込んでなくてホッとしたけど、
キッド海賊団との連絡手段もない。
ローたちは物資の調達も必要だから
このまま少し先の島へと向かうって。
キッド海賊団を待つにしろ何にせよ
ここよりも次の島の方が都合がいいらしい。
ﾛｰ「多少船が揺れるだろうが、我慢しろ。何か必要なものがあるならコレで呼べ」
ローはそう言って私に小さな電伝虫を持たせた。
手のひらに収まるこれは
たぶん子電伝虫。
ナースコール代わりにそれを枕元に置く。
そして、部屋を出ていこうとするローが
もう一度私を振り返った。
ﾛｰ「低体温症だったんだ、今日は絶対安静だ。大人しくしていろ」
そう釘をさして、
今度こそローは部屋を後にした。
ひとりぼっちになった部屋で
私は上半身を起こしてボーッと考える。
私はこれからどうなるのかな？
キッド海賊団のみんなはどうするのかな？
私一人居なくなったところで、
元のキッド海賊団のメンバーになるだけ。
元々のメンバーで
これからも航海を進めるのかな…。
でも…
「Aを部屋に避難させろ!」
海に落ちる直前に聞いた
ユースタス・キッドの声を思い出す。
少しくらい、心配してくれてる…よね。
私はベッドの上で膝を抱えた。
初めは何となく成り行きで乗せてもらったけど
1ヶ月も一緒に居たら、
案外私の中で、居心地のいい場所になってたらしい。
こうして離れて、連絡の手段もなく、
また会えるかどうかも分からない状況になると
すごく、心細い。
大切なものなんて、増やしたくなかったのに…。
だから、あくまでも自分はただの居候だと、
彼らとの距離を測っていたのに…。
『…弱いなぁ、わたし』
膝に顔を埋めて、小さな声で呟いた。
誰もいない部屋で、
私の弱音は布団に吸収される。
寂しいなぁ…。
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作者から皆様へ。
更新が遅くなってしまい
本当に申し訳ないです！
年度末の忙しさを侮っていました。
今しばらくこの忙しさが続くので
更新頻度は落ちるかもしれませんが
どうか気長に待っていただけたらと思います。
今後ともよろしくお願いします！
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作者名：優梨 | 作成日時：2023年2月8日 9時
