事故にあったら弟の推しに拾われた話【ONEPIECE】 (ページ27)

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ホームシックページ27

出来上がった料理を皿に盛りつける。

ベーコンとマッシュルームのペペロンチーノ

ブロッコリーのポタージュ

ほうれん草のレモンマスタードサラダ

それをテーブルに出して
私はキラーさんに声をかけた。

『それじゃあ、ゆっくり召し上がってください。私は先にお風呂いただきますね。
ポタージュは多めに作りましたし、冷蔵庫にも作り置きがあるので、もし誰かが帰ってきても、食べるものはあると思います』

ｷﾗｰ「Aは食べないのか？」

キラーさんの言葉に、
私は風呂上がりに食べに来ることを伝える。

『それに、仮面をつけたままでも食べれるかもしれないですけど、外した方が食べやすいですよね？』

私がそう言葉を付け足すと
キラーさんはそうか、と答えた。

じゃあ、と食堂から出ようとしたところに
キラーさんが後ろから声をかけてくる。

ｷﾗｰ「A、ありがとう」

その言葉に振り返って
私はキラーさんにペコりと頭を下げた。

そして食堂を後にすると
着替えを持ってお風呂を先に頂いた。

自分の家よりも広いお風呂にも
もう随分と慣れたものだった。

高校を卒業後、就職して
両親の残したお金もあるけれど
それは弟の大学費用にしたかったから
私たち姉弟はなるべく慎ましく生活していた。

お風呂もとっても小さくて、
こんな風に足を伸ばしてくつろげるなんて
本当に贅沢だ。

優人は、今もあの小さな部屋にいるのかな？

…私が居なくなって、叔母さんのところか
おじいちゃんの所にお世話になってるかな？

優人を一人残して…
私ばっかり、こんなにいい人達に囲まれてて
こんなに贅沢をさせてもらっていいのかな？

私は湯船に浸かりながら
そんなことばかりを考えていた。

赤の他人の私を船に置いてくれて、
特に不自由無く過ごさせてもらって
本当に私はツイている。

キッド海賊団に拾われてなかったら
大海賊時代に生きて行けなかったと思う。

だから、私は幸せ者だ。

それは分かっている。

頭では分かってるんだけど、
それでもふとした瞬間に思ってしまう。

『…帰りたい。優人に、会いたい……』

ひとりぼっちのお風呂で
私の本音は誰に届くことも無く
湯船から立ちのぼる湯気と一緒に消えていった。

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