これは読者としては買っちゃうね ページ23
街で人に道を尋ねながら
私は本屋を探した。
残念ながらこの島はそんなに大きな島じゃなく
図書館は無いらしいけれど、
本屋は近くにあるみたいだ。
だけど当たり前のように
異世界人についての本は見つからない。
そもそも”異世界人”っていうのは
この世界ではどういう扱いなんだろう？
もう何日もここで過ごして、
寝ても醒めてもこの世界にいるってことは
これが夢なんかじゃなく現実で
私は本当にこの世界にトリップしたんだ。
キラーさんやユースタス・キッド、
それから、ハートの海賊団の反応からしても
”異世界人”っていう言葉自体は
それなりに浸透しているはず。
じゃあ、それは
いったいどの程度の認識なんだろう？
ルフィたちがモックタウンでバカにされた
空島くらいの迷信的な認識なのかな…。
私はそう思って、”異世界人”についての本じゃなく
そういった伝承や迷信が記載された
オカルト的な本はないかを探し始めた。
探し始めてすぐ、見覚えのある表紙を見つけた。
『
コレ…、ウイスキーピークを出た後に
リトルガーデンに向かうメリー号の中で
ナミが探していた本だ。
信じられないような島や事象について書いてある。
ナミも読んでいたみたいだし、
この漫画の一読者としても
私はこの本に興味がある。
それに、”異世界人”についても
記述されているかもしれない。
私はその本を購入した。
購入した本を胸に抱いて
店の外に出ると太陽がサンサンと輝いていた。
あ〜コレは何ともお洗濯日和。
今日はクルーの大半は宿に泊まるって聞いてるし、
せっかくのお天気だから
船に帰って皆のシーツを洗っちゃおうかな。
なんて思いながら私は港に向けて歩き出す。
そろそろ街を出る、と言ったところだった。
「君、1人で何してるの〜？」
後ろから肩を掴まれて声をかけられた。
チャラついたその口調に似合う
チャラついた笑みを浮かべた男がいる。
『……帰るところです』
相手の顔を確認して直ぐに
私は男から目を逸らした。
男の手を払いのけて歩き出すと
男も私の隣をピッタリと着いて歩く。
「ねぇねぇ、何歳？一緒にお茶しない？」
こっちがどれだけ無視しても
その耳障りな声が止まることは無い。
そのメンタルを別の方に向けた方がいいと思うけど…
そう思った時、男の手が肩に手を回してきた。
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作者名：優梨 | 作成日時：2023年2月8日 9時
