事故にあったら弟の推しに拾われた話【ONEPIECE】 (ページ22)

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悪人顔ではありますよねページ22

約1週間ぶりの地面に足をつける。

船での生活も悪くないけど、
やっぱり揺れのない地面は安心出来る。

私は船を降りて
ぽすぽす、と地面を軽く足でつついた。

すると後ろからギューっと抱きしめられる。

「Aー！一緒に島回ろう！」

「ホップばっかりずるい！私も行く」

私を抱きしめたホップに続いて
ヒップも私の腕を掴んだ。

ヴィクトリアパンク号からは船番を除いて
ぞろぞろとクルーが降りてくる。

そんな中、またこうして気をつかってもらえるのは
ありがたい話なんだろうけど…

『ありがとうございます。けど、私行きたいところがあって』

「え？どこ行きたいの？」

『図書館があれば良いんですけど…なければ本屋に』

私の声にえ〜、とガッカリした声が上がる。

キッド海賊団の人達は
あまり活字を読まないのかな。

まあ、好きそうには見えないけど。

『付き合わせるのも申し訳ないので、私は1人で大丈夫です』

そう言って、ぺこりと頭を下げる。

すると、A、と名前を呼ばれて
私は顔を上げた。

すると目の前に小さな麻袋が飛んできて、
顔に当たる前に慌ててそれをキャッチした。

ｷｯﾄﾞ「それはてめェの給金だと思え」

投げたのはユースタス・キッド。

その口ぶりからして
中にはお金が入っているんだろうな。

『私、タダ働きのつもりだったんですけど…』

両手で袋を包み込みながら
ユースタス・キッドを見れば、
あのなあ、と面倒そうに口を開く。

ｷｯﾄﾞ「俺がそこまでの悪人に見えるか？」

『…まぁ、人相は』

私の言葉に、ユースタス・キッドは
ﾁｯ、と舌打ちをする。

ｷｯﾄﾞ「だいたい、金も持たずに本屋行ってどうするつもりだ」

そう言って、ユースタス・キッドは私に背を向ける。

そしてヒートや他のクルーたちと
そのまま街へと歩き出した。

私は受け取った袋をギュッと握りしめて、
ユースタス・キッドの背中に声をかける。

『ありがとうございます。大切に使います』

聞こえてはいるだろうけど、
ユースタス・キッドがその声に反応することは無い。

私とユースタス・キッドのやり取りが終わり、
それを見計らってヒップたちは
気をつけてね、と声をかけて歩き出した。

私もとりあえず街へと歩き出す。

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※名前しか分からない船員たちの口調は
勝手に書かせていただいております。