事故にあったら弟の推しに拾われた話【ONEPIECE】 (ページ20)

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おへやページ20

ヴィクトリアパンク号に戻ると
ユースタス・キッドは
甲板に放るように私を離した。

いてて～と起き上がると
ユースタス・キッドが指示を出して
クルーたちが慌ただしく動く。

そしてあっという間に船が出された。

舵のとり方も帆の張り方も知らない私は
アワアワと甲板の隅に行って
邪魔にならないように縮こまることしか出来なかった。

あっという間に船は島を離れ
シャボンディ諸島のマングローブが小さくなっていく。

騒ぎになったシャボンディから抜け出して
ようやく余裕が出来たのか、
船の上で慌ただしくしている人は少なくなった。

すると、後方を眺めていた私の横に
キラーさんが並び立った。

ｷﾗｰ「Aの言った通り、大変なことになったな」

『でも、無事に抜け出せましたね』

小さくなるシャボンティを見つめながら
私はキラーさんの声に答えた。

私はそのままシャボンディを見つめながら
キラーさんに聞こうかどうか悩む。

異世界人にはどんな利用価値があるって言うの？

けど、なんとなくそれが聞けないのは
どうしてなんだろう…

何となく何も言えずに私はそのまま視線を海に移した。

すると、少し遠くから名前を呼ばれた。

振り返ると、船内に入る扉の前から
クルーの1人、モッシュが私の名前を呼んでいた。

「Aー！お前の部屋の用意ができた。案内するぞ」

『あ、はい』

私は返事をすると
キラーさんに頭を下げてモッシュの元へ向かった。

モッシュは1番奥の部屋の扉を開ける。

「一番奥だから、船で戦闘があったらここがいちばん安全だろう」

そこにあったのは大きめの1つの部屋。

窓際に机があって、読み書きができるようになっている。

天井までの大きな本棚に
いくつもの本が入っている。

クローゼットは元の世界で使っていたものより
かなり大きなもので、
今日買ってきた服だけではまだまだ空きがある。

『…素敵な部屋。私もっと物置みたいなところをあてがわれるかと思ってました』

部屋に入ってそう言うと
部屋の外からてめェな、と呆れた声が聞こえた。

ｷｯﾄﾞ「んな部屋用意するわけねェだろう。おれをなんだと思ってんだ」

『…海賊？』

ユースタス・キッドはそう言って
不服そうな顔をしながら部屋に入る。

ｷｯﾄﾞ「必要なものがあれば言え。用意させる」

ユースタス・キッドの言葉に
私は欲しいものを口にした。

『それじゃあ、仕事をください』

ｷｯﾄﾞ「はあ？」

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