心強い主人公たち ページ13
ルフィを止めるため
はっちゃんが隠していた
残りの腕を出してしまった。
そして私は思い出した。
ああ、そうだ、このタイミングだ。
ーーーーーーバンッ
会場に銃声が響くと同時に、
はっちゃんが階段を転げ落ち
大量の血が流れる。
魚人をしとめたことを喜んで
小躍りしながらチャルロス聖が何かを言っているが
よく聞こえない。
頭の中に、記憶がフラッシュバックする。
『…はっ、…っ、』
血まみれの玄関、
重なって倒れている血まみれの両親。
倒れたはっちゃんとそれが重なった。
思い出したくない映像が
頭の中にこびりついた。
ｷﾗｰ「…A？」
ｷｯﾄﾞ「こういうのは見慣れてねえから怖いってか？」
すぐ近くで2人の声が聞こえる。
聞こえるのに答えることが出来ない。
私は腕を痛いくらいに強く掴んで、
倒れるはっちゃんとから流れる血から
目を話せなくなっていた。
ｷｯﾄﾞ「…おい、どうしたよ」
ｷﾗｰ「A、大丈夫か？」
なんの返事も返さない私を不思議に思ったのか
キラーさんが私の肩に手を置こうとした。
その瞬間、
自分でも驚くほど体がビクっと跳ねた。
それを見たキラーさんはその手を引っこめる。
『あ…ご、めんなさい』
バクバクと心臓が激しく動く。
なんで急に、あんなに鮮明に、
3年前のあの日を思い出したんだろう…。
少しずつ、忘れられたと思ってたのに、
怖い…恐いよ。
いきが、うまくできない…。
息苦しくて、視界がかすみ始めたその時だった。
ル「うおおおおぉぉおぉおっ！！！」
ルフィの声とともに轟音が響き渡り、
チャルロス聖が殴り飛ばされた。
その光景を見た瞬間、
思い出したかのようにヒュッと肺に空気が入る。
そうだ、落ちつけ。
覚えてる。
誰も死なない。
ここにはルフィたちがいるんだ。
ルフィの暴挙で会場はパニック状態。
たくさんの人が
私たちのすぐ横の出入口にごった返している。
『はは…さすが』
会場内で暴れ回る麦わらの一味は、
ロビン、ブルック、ウソップも合流して
全員が揃っていた。
そんな彼らが暴れ回る光景に、
私はホッと胸をなでおろした。
そんな私に、少し遠慮がちに
キラーさんが声をかけてくれる。
ｷﾗｰ「A…大丈夫か？」
『あ、すみません。少し動揺しちゃいましたけど…彼らが揃ったならもう安心です』
私がそう答えると、頭上から
チッ、とユースタス・キッドの舌打ちが聞こえた。
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作者名：優梨 | 作成日時：2023年2月8日 9時
