1回涙を流したなら、15 ページ20
担架にうらたさんが乗せられて、坂田さんが付き添っていくその姿を、何も言わず静かに見送った。
自分の手や服、頬にべっとりと付くうらたさんの血。まだ温かみを持っていて、より現実を突き付けられる。
ぽたぽた...という例えでは足りない程、私の目からは絶えず涙が溢れ続けていて。
頭がぐわんぐわんと揺れて、現実から目を背けたくなるくらいの痛みに襲われる。
ふと目に入った、刑事に連行される佐倉翼の姿。
ぼけー、とそれを眺めていると、そいつは口を開いた。
「残念だったねぇ...。やっぱり、君に関わった人間にあるのはバッドエンドだけなんだよ。
あの人間は、君が殺しかけた...いいや、殺しちゃったかもしれないんだ。
僕だったら君を守れたのに...バカなことをするからだよ。......じゃあね、僕の婚約者さん。」
普通の意味として受け取れば、それは捨て台詞。
だけどあいつの手には、まだナイフが握られていて、私の方に向けられていた。
まだ、諦めてなかったの？
·
私の中の何かが.........、理性、が崩れる音がした。
バシッ！と乾いた音が聞こえた。
じんじんと痛む私の右手。
「あははははっ、これで君も暴行罪の罪に問われるね！僕と一緒だ！
どうする！？今のうちに僕と一緒に死んじゃう？ねえ！どうする！！？」
「...残念。本当に。
これは正当防衛だよ。だってあなたは私に刃先を向けた。私は刺されないようにあなたの手からナイフを振り払った。ただそれだけ。
...さよなら。大嫌い。」
あいつの手に手錠がかけられる。そして刑事に連れて行かれた。
「.........もう...やだ............。」
本当にあいつの言う通りだ。私、周りの人を傷付けてばっかだ。
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あおい(プロフ) - 久しぶりに見つけて読んでみたら、やっぱりめっちゃ面白かったです……大好きです！！ (2020年12月29日 23時) (
レス) id: e7f1d7c7f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゆ - shinoさんはじめまして！この小説すっっっごい好きです！なんかうらたんがアレなところとか！（語彙力逃走中すいません）頑張って下さい！応援してます！ (2019年8月29日 20時) (レス) id: a065501dc8 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 初コメ失礼しますっ！この小説めっっっさ好きです！！頑張ってくださいね！待ってます！ (2019年8月3日 22時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - (´∀｀)b (2019年8月2日 7時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 人気な人ほど、アンチというか。。。よく思わない人がいたりするんです。今少なくとも作品をお気に入りにいれてる1600人近くは、あなた様の味方です。もちろん私も！更新待ってますね！ (2019年8月1日 12時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shino | 作成日時：2018年12月22日 16時
