純情可憐バトン Hidaka.U (ページ11)

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まるでお城のような、エレガントな塀。

黒塗りの豪華な門から覗くのは、3階建ての大きな家。手入れされた庭と噴水。

何台も止まる車。

表札には、「浮所」の文字。

こんなに大きな家である必要あるかな？！

那須を横のこれまた大きな家に降ろしたあと、運転手が運転する車から降りる。

いつもなら、疲れたなぁなんてお風呂に入ってすぐに寝るけど、今日は違う。

だってね！？AちゃんとLINEできたから！

「ご飯はどうされますか？」

家にいる一人のメイドに話しかけられる。

『うーん、デザート食べたい！部屋に持ってきて欲しい！』

「かしこまりました。」

こんなにお金を遣う親が、メイドは一人しか雇っていない。

小さい頃からお世話になっているし、若いおばあちゃんのような感じがして、いつも俺の相談相手。

あとでデートの洋服とか一緒に考えてもらお！

ルンルンで部屋へ向かう。

部屋に座って、持ってきてもらったデザートのババロアを食べて。

携帯をいじっていると、「大好きです♡.....」という通知。

え？！

告白！？

突然10倍ぐらいの心拍数。

まってまって、俺心の準備出来てないよ...！

バグバクしながら携帯を開ける。

.

なんだ、ミルクレープのこと.....。

沈みきった心拍。

ちょっとホッとして、でもとってもガッカリして、フカフカのベッドに倒れ込む。

でも、大好きです♡なんて！

うわあああああどうしよう、可愛すぎる...

俺、相当惚れてるなぁ。

足をじたばたさせていると、

「飛貴ーー！静かにしなさい！」

怒ったお母さんの声。

うーわ、やっばい。

そろーっとお風呂に向かった。