線香花火。（yuri)

逃げたいくらいに苦しい。 ページ1

(宮舘side)





渡母「ほら、翔太。涼太君に挨拶しなさいっ!!」
渡「わッ、渡辺翔太だっ…よろしくな!!」

舘母「ほら、涼太もご挨拶は？」
舘「翔太…涼太って言います、よろしくね！」





あの日、初めて、
お母さんの後ろに隠れてトコトコやってきた翔太を見たときに『面白いな。』って思った。

一見冷たい人に見えて実は凄い寂しがり屋で怖がりで、いつもいつも俺の横にいて引っ付いてくる幼馴染。





渡「りょーたぁー」

渡「涼太!!!!」

渡「涼太ぁ…」

渡「りょーーーーたぁーーー!!!!」





なにかとコロコロ変わる表情に惹かれていて、。

何かと危なっかしいその姿を自然に目で追っていて。





渡「うわっ!涼太、雷だぞ!!お腹隠せお腹！」
舘「ふふっ。翔太、震えてるけど…怖いの？」
渡「こっ、怖くねぇ!!ただ…涼太が怖がってるんじゃないかって…」
舘「俺は大丈夫だよ？」
渡「大丈夫じゃねぇだろ！？」
舘「俺は大丈夫だから翔太はそこでお腹守ったら…？」
渡「そっ、それじゃあ怖いんだよ!!……あ」
舘「ふふっ、ひっかかった」
渡「ちょっとー!!涼太!!」


バリバリバリバリーー!!!!


渡「うわぁ!!」
舘「ホント、危なっかしい」





ちょっぴり怖がりで噓つきなところもまた可愛くて。





気が付けば俺は、

高校二年生の夏休みを迎えて、やっと。


翔太への恋心に気づいたのであった。









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