君さえいれば････ 短編集

所詮“幼馴染み”　永瀬廉 ページ45

廉side



俺が、家でのんびりしていたとき


玄関から来て階段をのぼってくる音がきこえた


インターホンも押さず家に来るのは、あいつしか、おらん




ガチャ



廉「A、何回言ったらわかr……………え？」



顔をあげると涙を流す幼馴染みのAがおった




A「れん〜………」


力なく笑いながら俺に抱きついてきた



A「振られてもうた……」



お前に好きなやつがおるんは知ってるけど、告るんは初耳やわ

そして、振られたことにホッとしとる自分がおる



A「ねえ、黙って聞いとってな？」



俺が頷くとAは、俺の胸に顔を埋めながら話始めた


『好きな人おることぐらい知っててん…でも、なんであの子なん？』


『地味やし、おもろないし……うちの方があの子よりずっとずっと好きやのに！』


『なんで、うちのことは見てくれへんの？あんなに、あんなに…頑張ったんに！！』



そんなことをずっと言うて泣いてて、


いつの間にか静かになったと思ったら寝てるし…



俺の腕の中におるAは、儚くて今にも消えそうで…

どこにもいかへんように俺は、少し力を込めた



廉「俺やってお前のことずっとずっと好きやわ。でも、所詮幼馴染みやもんな？」


君にとって好きなのは彼奴で
俺は、所詮幼馴染みにしかすぎない



俺の腕の中で眠る君に
伝える


廉「好きやで、A…」




俺が口にした想いは、この部屋に消えていった…

兄妹恋愛　長妻怜央→←思い出　松島聡

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