鑑識課の女5【名探偵コナン】

女子高生の企み4 ページ21

工藤邸を掃除しているからいってらっしゃいと女子高生の眩しい笑顔に見送られながらAと沖矢は二人で工藤邸を出た。


「本気でポアロに行く予定ですか？」
「話によるとポアロの女性店員さんも絡んでいるそうじゃないですか。行かないという選択肢は無いのでは？」
「ぐ………。」


梓さんもグルのようだった。行かなければ蘭達にバレるであろう。観念したようなAの様子に沖矢はフッと笑うとAへ向けて手を差し伸べた。


「さぁ、行きましょうか。Aさん。」
「…なんですかその手は。繋ぎませんよ。」
「安室さんを反省させるには徹底しないと。」
「そんな必要無いことは貴方もわかってますよね？」


Aは沖矢の手を無視するとポアロに向けて歩き始めた。そもそも沖矢がこの茶番に協力するメリットは皆無ではないか。


「こんなことに付き合って昴さん、貴方ヒマなんです？」


呆れたように見上げるAを見下ろして沖矢はフッと笑うと言った。


「″沖矢昴″は貴女に惹かれる大学院生ですから、貴女と二人きりになるチャンスは逃さないんですよ。」
「そんな設定でしたっけ？」
「おや？違いました？」


半目て呆れたように笑うAに沖矢は楽しそうに笑った。


「貴方はまだ安室さんに疑われたままなんですよ？ポアロにノコノコ行く神経が分からない。」


ブツブツと悪態をつきながら歩くAに沖矢は、悪態のつき方はライ時代に関わったバーボンにソックリだなと思った。
論理的に追い詰める時は降谷に似ているし、彼の元部下だと言っていたが、その当時から降谷のことをよく見ていたと言っているようなものだ。


(全く、無神経なところが残酷だな。)


自分の入り込む隙の無さに赤井は苦笑した。

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