鑑識課の女5【名探偵コナン】

裏切りのステージ8 ページ3

「ねぇ、それより…」


と言ってベルモットは沖矢の方を向いた。あぁ、ベルモットは沖矢昴を見るのは初めてだったか。と、安室は沖矢について説明した。


「沖矢昴っていう東都大学の大学院生で、住んでいるのは阿笠という博士の家の隣の…」


安室も沖矢の方を見ると表情は一変した。Aに頼まれてメモ帳に文字を書いている手が左手だったのだ。沖矢からメモ帳を受け取るAの隣に安室は素早く移動した。


「左利きなんですね？」
「えぇまぁ…いけませんか？」


怪訝な表情をする沖矢に安室は「いえいえ…」と笑って言った。


「この前お会いした時は右手でマスクを取られていたので…右利きかなぁと…。」
「そうでしたか？」
「まぁ気にしてないでください。殺したいほど憎んでいる男が…レフティなだけですから。」


怪しく笑って言う安室を見て、Aは困ったように笑いその場を離れようとするとコナンと目があった。コナンに近づくと、コナンは口に手を添えてAに小声で言った。


「左利きに注目するなんて、安室さんもAさんと目の付け所が一緒だね。」


その言葉にAは軽く笑うと、Aも小声でコナンの耳元に返した。


「元上司だからね、“彼が”じゃなくて、“私が”彼と目の付け所が一緒なの。」


と言って笑うAにコナンは成る程と思った。

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