純黒の悪夢4 ページ9
「完全にNOCリストが奴らの手に渡っていないとしても情報は渡っているかもしれん。」という赤井の言葉にAはその場にヘナヘナと座り込んだ。
「は………、はっ………零さ…………」
浅く呼吸を繰り返すAの異変に、赤井は立ち上がってAの方へ近づくと目線を合わすためにしゃがみこんだ。
「おい、」
「はっ……ハッ………」
過剰に酸素を取り込みすぎて過呼吸になっている。苦しそうに、それでも降谷の名前を呼び続けるAに赤井は舌打ちすると
(許せ降谷君。)
Aの顎を持ち上げて口付けた。
「ンぅ…!んン………!!」
いきなりの行動に、赤井の身体を押し退けようとAは手で赤井の肩を押したが、逆に手首を掴まれ身動きが取れなくなった。赤井は口付けたまま、Aの口をこじ開けて息を吹き込み、Aの身体の中の酸素濃度を下げようとした。
Aから口を離し「ゆっくり息を吐け、ゆっくり呼吸をしろ。」と、背中をさすりながら声をかける赤井にAの呼吸は次第に落ちついて行った。
「はぁ……はぁ………」
「大丈夫か?」
「すいません…失態をお見せして…」
「いや、こちらこそすまなかった。袋の持ち合わせがなくてな。」
「いえ。」と、助かりましたと首を振るAであったが、過呼吸の所為ではないドクドクと大きく脈打つ心臓に内心焦っていた。
Aを助けるためとはいえ、あそこまで躊躇いもなく強引に口付けられるとは、さすが赤井と言うべきなのか…。掴まれた手が動揺で震えていた。
こんなこと、降谷にバレたら殺される。
そう考えて、Aの思考はふと停止した。
(いや、零さんにバレて、怒られたい……。)
Aの瞳に決意の光が灯った。
「赤井秀一、」
「なんだ?」
「手を貸してください。」
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ライス(プロフ) - とても深いグリーンさん» コメントありがとうございます!ホワイトもお読みいただいて!ありがとうございます。二足の草鞋にした途端に更新がさらに遅くなってしまって申し訳ないですが、更新頑張ります! (2018年3月26日 20時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 羽田莉來さん» コメントありがとうございます!そうですよねー!私も書いてみたいです!今後書けたらいいなぁと思います! (2018年3月26日 20時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - 最近更新してくださってうれしいです(^^)ホワイトも楽しく読ませて頂いてます。両立は大変かもしれませんが頑張って下さいp(^-^)q応援してます♪ (2018年3月19日 20時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
羽田莉來 - 夢主が公安時代の、付き合いたての時のお話がいつか見てみたいです!どっちが、どんな感じで告白したのかとか気になります。余裕がある時でいいので、検討して頂けると嬉しいです。スルーして頂いてもいいです笑 応援してます! (2018年3月15日 23時) (レス) id: 0caa1fa3ee (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 友の死回想編は一応完結になります。この話の続きとしてシリーズ1の女子会の回想に繋がります。なかなか更新が遅くて申し訳ないですが、映画までに裏切りのステージやりたいですね! (2018年3月5日 21時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年11月29日 21時