鑑識課の女4【名探偵コナン】

17年前と同じ現場3 ページ38

Aは顎に手を当てて考えた。


「17年前に羽田浩司を殺害した犯人が、現場から姿を消したボディーガードの「浅香」という人物で、その正体が黒ずくめの組織のNo2のRUMだということを、羽田浩司が殺される前にダイイングメッセージで残したということ…？」


コナンが無表情で頷く。沖矢は「まだ完全にそうだとは確定しかねますが…」と続けた。


「少なくとも『ASACA』と『RUM』には何か関係があるんだろう。」


ダークグリーンの瞳がAを漆黒の瞳を捉えた。Aは小さく頷くとパソコンの画面に視線を移した。


「このホームページ、何処から更新されているのか気になりますね…。鑑識で調べて見ます。」


Aの言葉に沖矢は目を開いて口角を上げた。それに気付いたAは「何か？」と首を傾げた。


「いや…調べてくれるのかと思って。」


その言葉にAは一瞬ポカンとしたが怪訝な表情をして言った。


「折角FBIの情報をもらったんです、こちらも何か情報を提供しないと貴方の言う50/50ではないでしょう？」


手を組んだときにそう約束したはずだと言うAに沖矢はククッと笑った。


「今回はFBIというより、俺とボウヤで掴んだ情報だったんだが、」
「……え？」
「Aが調べてくれるというならありがたい。」


「なぁボウヤ。」と赤井の口調に戻った沖矢がコナンに笑いかけている。コナンはというと「うん！」と子供らしく返事をしている。
やられた！！！！


(でも…)


「その情報、教えていただいてありがとうございました。」


こうやって情報を与えてくれることはありがたい。同志として見てくれているのだろう。少し嬉しくなりAはティーカップに口をつけると、沖矢の大きな手がAの頭を撫でた。


「ほら、情報共有は大切だろう？」


頭の上に「？」を浮かべるAに、沖矢は「あぁ、それは安室君に言ったんだったか。」と呟いて、ポンポンとAの頭を軽く叩いた。その手を退かそうと奮闘するAの手首を掴んで制すると威嚇するAに面白そうにクツクツと笑った。
その光景を見ながらコナンは


(最近赤井さん、Aさんに対してスキンシップ多くねぇか？)


と人ごとのように見ていた。

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