鑑識課の女4【名探偵コナン】

17年前と同じ現場2 ページ37

「コナン君、お邪魔してます。すごい本だね、それ。」
「うん、久しぶりに読みたくなって。ホームズだよ！」


「Aさんも読む？貸すよ？」というコナンに、久しぶりに読むって……やっぱり正体とかもう隠してないだろとAは苦笑して、やんわりと断った。


「ところで、お話って何ですか？」


Aは沖矢の方を見て尋ねた。今日工藤邸に訪れたのは他でもない沖矢から呼び出されたからであった。
沖矢はコナンがソファに腰掛けるのを見てからAに向き合った。


「先日の不動産会社社長が撲殺された事件にはAさんは関わっていないのでしたっけ？」


悪徳不動産会社社長が殺された事件だ。犯人は元駄菓子屋の男だったか…。その事件と同じタイミングで米花町内で他の事件が起きていたためAはそちらの方に出動していたのだった。


「えぇ、ちょうど他の事件に担当になりまして。でも概要は聞いていますよ、ガラスのコップを水の中で切ってダイイングメッセージにしたと…。」


そういえば事件解決に大学院生と小学生が関わっていたと同僚が言っていたな。また事件ホイホイ発動したのかと軽い気持ちで聞いていたけど…。


「その事件が何か？」


Aはティーカップに口をつけながら尋ねると、「見て、Aさん。」と、コナンがテーブルで開いていたノートパソコンの画面をAの方に向けた。


「17年前の殺人事件…？」
「そう、17年前にプロ棋士の羽田浩司が殺害された事件の記事だよ。」


Aはパソコンの記事を読んだ。
現場には割れた手鏡。そして現場から姿を消したボディーガードの「浅香」という人物が容疑者だという。
沖矢がその記事を補うように説明した。


「偶然でしょうが、状況がその事件とこの17年前の事件、同じだったんです。元々手鏡に書かれていた文字は『PUT ON MASCARA 』。手鏡に残っていた文字は『PRON』。」


コナンは沖矢の説明に合わせて紙にアルファベットを書いてAに見せた。


「『PUT ON MASCARA 』から『PTON』を除くと残った文字は『UMASCARA』。」
「「CA」が「KA」と同じく「か」と読むのなら、思いつくのは『ASACA』。そして、残った文字を並び替えると、」


Aは目を見開いた。








『RUM』

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