回想(噂) ページ35
皆が賞賛する公安の絶対的エース、降谷零の話は警察学校でも度々話題に上がり、警察庁に入職する前から彼の存在は知っていた。だからその彼が、雲の上のような存在の彼が、
『今日から君たちの上司となる、降谷零だ。』
直属の上司となるとは思っても見なかった。
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『この前壊滅させた麻薬組織、決め手は降谷さんの一手だったらしいぞ。』
『この前の一斉捜査も降谷さんの推理どおりにことが運んだらしいじゃないか。』
『降谷さんって格好良いよねぇ。今日の朝、降谷さんと同じエレベーターだったの!良いことあるかも!』
Aが警察庁警備局警備企画課に入職して1年が過ぎた。事件解決の手柄で毎回話題の中心となるのは降谷零であった。その彼に、Aと、同期である風見は厳しく指導され、僅かながらも役に立てる人材になりつつあった。
そして本日は年に数回の警察庁の飲み会であった。
警察の飲み会というものはエグいものである。例えるならば体育系大学生の飲み会だ。浴びるように飲み、バタバタと戦線離脱した者が倒れていく。下っ端のAはビール瓶を片手にお酌に走り回っていた。横目で風見の様子を見てみると、
(ありゃりゃ、伸びてる。)
先輩に飲まされてダウンしていた。
先輩にビールを注いでいると、肩にガシッと手を回された。降谷と同期の那須さんである。彼は公安内の課は違えど彼もまた将来を有望視されている警察官である。
「高橋オメェよぉ、降谷の下なんだってぇ?」
「は、はい!」
「大変だろ?アイツ、仕事に対しては鬼だからな。」
「ははっ、鍛えて頂いています。」
那須は降谷の方を見た。Aもつられて降谷の方を見ると、あろうことか公安のエースともあろうお人が一人で静かに酒を煽っていた。ガチャガチャとうるさい輩からは距離を取っているのがいかにも降谷らしいといえばらしいとのだが…。
「お前も気をつけろよ。」
「え?」
「なんだァ、お前降谷の噂聞いてねェのか?」
「降谷さんの手柄の噂ならほぼ毎日…」
「あー、違う違う。アイツ上層部の連中になんて呼ばれてると思う?」
那須は顔を近づけると小声で言った。
「 」
Aは目を見開いた。
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chie(プロフ) - 毎回楽しく拝見させていただいています!続きも楽しみに待ってます! (2017年11月30日 0時) (レス) id: f0b8527a99 (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - かにのすけ。さん» ぉぉぉ!こういう降谷さん!!なんという嬉しい言葉!ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 藍莉さん» 更新を待っていてもらえて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!安室さん、こんなに主人公にベタ惚れで大丈夫かなと書いてて思います笑 更新頑張ります!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 雨令さん» 安室さんはポアロのエロいお兄さんというイメージですからね笑 良かったと言っていただけて嬉しいですー! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
かにのすけ。(プロフ) - これです!!こういう降谷さんが見たかったんです!!続き待ってます!! (2017年11月28日 18時) (レス) id: 53a735ef35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年9月10日 16時