鑑識課の女3【名探偵コナン】

緋色の交渉5 ページ23

「あ、ちなみに私は降谷さんの指示で来た訳ではないので、気軽に吐いちゃってください。貴方を拘束する気はないので。」


自信満々に言うAに、どうしたものかとコナンは思った。安室の時は兆候があったため念入りに準備が出来たが、今回は急すぎる。安室のことばかりに気を取られており、Aに赤井の正体がバレるということは二の次になっていた。


「仮に、沖矢昴が複数人いるとして、それが赤井秀一であると何故言えるのです？」


沖矢の両目が開き、ダークグリーンの瞳がAを捉えた。その綺麗な色の双瞳にAはニヤリと笑った。


「だって貴方昨日言ってたじゃないですか、『利用されていたのではなくて良かったな』と。その会話をしたのは赤井秀一ではなく、沖矢昴ですよ？なぜ赤井秀一が私の状況を知っているのです？」
「ホー。君は昨日のやりとりを聞いていたのか。」


Aは沖矢の言葉に組んでいた手を組み直すと、そのニヤリと笑った笑顔はそのままで言った。


「言ったでしょう？貴方と交渉しにきたと。」


「ホー。聞きましょうか。」面白そうに言う沖矢に「す、昴さん！」とコナンは少し焦った声を出した。
Aは沖矢の目を見ると、フッと笑って話し始めた。

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