鑑識課の女3【名探偵コナン】

緋色の序章7 ページ11

「Aさんが公安だった頃、安室さんって公安にいた？」


Aはコナンには分からない程度に一瞬目を大きくしたが、すぐに表情を戻した。Aが元公安だとコナンにはとっくにバレていたのだ。特に隠していたわけではない。佐藤や高木あたりから聞いたのかもしれない。


「さぁ…。潜入捜査官の名前は私達下っ端には教えてもらえないし、少なくとも私が知っている公安の人間に安室はいないよ。」


Aの最もな答えにコナンは諦めたように「そう…」と答えると、ジョディの元に行った。Aはその様子を目で追った。


(ごめんねコナン君。)


公安には安室という人間はいない。


(“安室透”という公安は、ね。)


きっとコナンの抱えている秘密に安室が近づいているのだろう。


(その秘密はおそらく死んだとされている赤井秀一。)


安室が公安だという確証が得られればその秘密がバレても大丈夫と追ったのだろう。FBIと日本警察は協力関係になれる。しかし、ただのFBIならそれでよかった。


(零さんが赤井秀一を逃がすわけがない。)


Aは目を細めてFBI捜査官のジョディとキャメルを見た。


事件は安室とコナンの推理により保護者の神立という男が犯人だと分かり逮捕された。
事件解決と同時に病院から連絡があり、昏睡状態だった渋谷夏子の容体が悪化して危険な状態だと知らされた。
コナンとジョディ、キャメルは急いで病院に向かった。3人のあとを追って出て行く安室の口元が上がっているのをAは見逃さなかった。


(これは、動く。)


Aは事が動く確信を得た。現場に残って後片付けをするAの口角もまた上がったのだった。

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