再会 ページ34
Aは自宅マンションのソファで膝を抱えて座っていた。安室に告白され、友達という関係から始めることになった。そのまま、あれよあれよという間に連絡先を交換させられ、「後で連絡します」という眩しい笑顔を頂いて帰って来たのだ。その様子を蘭は頬を染め、コナンはあんぐり口を開けて見ていた。
「わからない…。」
降谷がどうしようとしてるのかAにはさっぱり分からなかった。安室としてはAを側に置きたいのだろうか。組織に潜入しながら探偵を演じて何かを探りたいのだろう、それにAが必要なのか。
(組織とも零さんとも距離をとるために別れたんじゃなかったの?)
急に突き放されたと思ったら急に現れて都合の良いこと言って。勝手な人だ。
それでも、ポアロで零さんの儚い笑顔を見た時、今度こそ側で支えたいと思ったのは確かだ。たとえ利用されているのだとしても、
(利用されたいと思ってしまう重症よ。)
Aは頭を抱えた。これが惚れた弱みというやつなのか…!!
ピンポーン
Aが頭を抱えて唸っていると、玄関のチャイムがなった。インターホンについている玄関のモニターを見ると、只今頭の中を占拠している金髪が目に入った。
「…え?」
なんで、零さんが私の自宅を知っている?米花町に引っ越して来たのはついこの間である。Aはインターホン越しに言った。
「れ…安室さん、なんで」
「ごめん、早く入れてくれないか?」
見つかると少々厄介なんだ。という降谷に(じゃあなんでウチを訪ねたよ)と突っ込みたくなる気持ちを抑えて降谷を部屋に招き入れた。
「安室さ…」
玄関の扉を閉めて、どうしてウチが分かったのか聞こうと名前を呼んだ瞬間に降谷がAを抱きしめた。反射的に固まったAの両手は迷子になった。
「ごめんA。」
「零さん…?」
Aは恐る恐る降谷の背中に両手を回す。Aが触れると降谷の身体がピクリと動いた。
「Aを守るためだと離れたことを、2年間ずっと後悔していたんだ。会いたくて、会いたくて狂いそうだった。」
安室ではない素の降谷零の言葉だとAはすぐにわかった。
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風間 - アキさん» わざわざ突っ込む必要なくない?あなただってそうして 発砲 だとわかってるんだし。 (2022年8月11日 21時) (レス) @page19 id: b391deb645 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - 『かなりの至近距離での発泡』・・・炭酸?『発砲』では? (2019年11月30日 18時) (レス) id: e7946caf9a (このIDを非表示/違反報告)
シイラ - 面白い!どんどん読めちゃいます! (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ふなっしー - ふなっしー (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - ういさん» はじめまして!この小説を見つけていただいてありがとうございます!執行されたらもう降谷さんから後戻りできないですよね笑 2周目!ありがたいです。何回読んでも読み応えのある作品が作れるように頑張ります! (2018年7月17日 21時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年6月1日 15時