ウエディング・イブ ページ25
目を開けると病院の白い天井と彼がいた。
「……れ…い、さん…?」
自分の口元には酸素マスク、左肩と左足はギブスと包帯を頑丈に巻かれて動かない。ふと見上げると数種類の点滴に加えて真っ赤なパックが目に入った。輸血か。
怪我をしていない右手が暖かくて、彼が手を握ってくれていることが分かった。
「……A!」
彼の目の下には隈がすごくて、あぁまた寝てないんだと思った。そのひどく整った顔に安堵の表情を浮かべたのは一瞬で、すぐに苦しそうな悔しそうな表情になったと思ったら抱きしめられた。彼は顔をマナの肩口に埋めたまま「ごめんA、ごめん。」と言い続けた。
ガバッと起き上がるといつもの自分の部屋だった。左肩も左足も自由に動かせる。
「夢か…。」
Aは左手で額を覆った。何故今怪我をした時の夢を見たのか。あぁ昨日佐藤と由美に彼のことを話したのが原因かもしれない。その日あったことがよく夢になるというから。
「ごめん、か。」
あの時ごめんと繰り返していた零さん。Aの怪我に責任を感じていたのだろう。
(ごめんは、こっちの台詞なのに。)
あの時側で支えれなくてごめん、一緒に闘えなくてごめん、零さんに言いたいごめんは私の方がたくさんある。
部屋の窓が雨風に叩きつけられている。酷い天気だ。Aはのっそりと起きて出勤の準備を始めた。
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風間 - アキさん» わざわざ突っ込む必要なくない?あなただってそうして 発砲 だとわかってるんだし。 (2022年8月11日 21時) (レス) @page19 id: b391deb645 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - 『かなりの至近距離での発泡』・・・炭酸?『発砲』では? (2019年11月30日 18時) (レス) id: e7946caf9a (このIDを非表示/違反報告)
シイラ - 面白い!どんどん読めちゃいます! (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ふなっしー - ふなっしー (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - ういさん» はじめまして!この小説を見つけていただいてありがとうございます!執行されたらもう降谷さんから後戻りできないですよね笑 2周目!ありがたいです。何回読んでも読み応えのある作品が作れるように頑張ります! (2018年7月17日 21時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年6月1日 15時