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互いにわだかまりを残したまま、結局その日はお開きとなった。
しかし、彼女は知らない。どうしてこうも、アーサーが彼女を拒もうとするのか。
彼が、一体どんな立場であるのかも……
「やあ、珍しいね！君が俺んちにくるなんてさ！」
会合から、数時間後。自らの仲間の元を訪ねる、アーサーの姿があった。
「来たくて来たわけじゃねえよ……こっちに用があってな。」
「相変わらず素直じゃないなあ君は！あ、何か飲むかい？」
「いらねえ。どうせコーヒーしかねえとかぬかすんだろ。それに、紅茶ならさっき飲んだばっかりだしな。」
リビングへ向かい、勝手知ったるようにソファに腰を下ろす。
「で？何しにきたんだい？」
家主……アルフレッドがコーヒーカップを手に横に座ると、アーサーは本題を切り出した。
「ああ、そのことなんだけどな……」
「？」
「俺、今度結婚するんだ。」
「！？」
途端にアルフレッドの口元からコーヒーが吹き出す。むせ返るアルフレッドを横目に、アーサーは汚いと言わんばかりに顔をしかめた。
「……おいきたねえぞアル。」
「げほっげほっ……誰のせいだと思ってるんだい！？エイプリルフールはとっくに過ぎたんだぞ！？」
「嘘じゃねえから言ってんだろ……」
「嘘じゃないって……君、正気かい！？だって君……」
「……」
アルフレッドが驚くのも、無理もなかった。
何故なら自分たちは、人と違う。半不老不死の体を持った、国の化身であるからだった。
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年12月28日 1時
