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「最近まで、俺の家が揉めてたのは知ってるよね。」
「ああ、そうだね。」
「その時、俺は一時的にだけど二つに分かれた。……アメリカ合衆国と、アメリカ連合国の、二つに。」
アルフレッドの指が、二本、伸びる。それを見て、フランシスは怪訝な顔をした。
「……それがなんだって言うんだよ?二つに分かれたっつっても、お前が分裂したわけじゃあるまいし……」
「俺だって、勝手に上司が怒って出ていっただけだと思ってたよ。……でも、違った。」
アルフレッドの脳裏に、あの頃の自分が浮かび上がる。
銃を手にし、呆然と佇んだ自分。煙草の香りと煙が、自分を待って立っていた。
『よお、世界のヒーロー(笑)さん?』
忌々しい声。いやらしい目。しかめかけた顔を戻し、アルフレッドは続けた。
「いたんだよ。アメリカ連合国の化身が。……俺も信じられなかったさ。でも、そいつははっきりと、俺達と同じ煙がだって言ったんだ。」
「……名前は?」
「フレッド。フレッド・コール。俺とそっくりで、俺と同じ体を持って……エリザベスの、お祖父さんにあたる人だよ。」
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年12月28日 1時