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dt「えっ！？………はい、そうです…はい……分かりました、失礼します」
キッチンの方から珍しく涼太の動揺した声が聞こえ、思わず振り返る。
「どうしたの？」
横に座っていた亮平も不思議そうに涼太を見つめる。
何か事件に進展でもあったのかな、なんてあまり深く考えず次の言葉を待った。
dt「照が、殺人事件の第一発見者になった」
dt「今警察の方で事情聴取受けているらしい。俺は今から署に向かうけど、Aはどうする？」
殺人事件の第一発見者、というテレビや小説の中でしか聞かないような言葉に、思わず不安になって身震いした私の手をそっと亮平が優しく握る。
dt「第一発見者だからと言って、事件に関わっているとは限らないし、それに、照はそんなことしないってAが一番よく知ってるでしょ？事情聴取って受ける側は凄く緊張するからAが迎えに行ったら喜ぶんじゃないかな」
素早く支度を終えた涼太が落ち着いた優しい声でそう話す。
「分かった、私も行く。亮平はお留守番しててもらってもいい？」
ab「了解、待ってるね」
これまた可愛らしい笑顔を見せた亮平に行ってきます、と声をかけ警察署へと急いで向かう。
警察署についてすぐ、「宮舘警部！」と走って来た警察官に兄のいる取調室へと案内される。
すれ違う度に「宮舘警部、お疲れ様です」と声をかけられている涼太。
…そういえばこの人警部だった。
「こちらです」
案内された部屋は椅子と机以外何もない殺風景な部屋だった。
その真ん中にどう考えてもこの部屋には不釣り合いな、毎朝見るランニングウェアのまま大きな体を縮こませて座る兄の姿があった。
「岩本照さんのご家族の方ですか？」
「はい、妹です」
iw「A…」
ほっと安堵するような表情を浮かべ、兄は小さく「心配かけてごめん」と呟く。
「事情聴取は以上になりますのでお帰りいただいて構いません。もし今後何か思い出したり、身の回りで異変などがありましたらすぐにお知らせ下さい」
取調べをしていたであろう警官から「警視庁刑事部捜査一課警部補 佐久間大介」と書かれた名刺を渡され、微笑まれる。
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作者名：あさい。 | 作成日時：2023年2月22日 2時
