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貴方side
〈続いてのニュースです。
昨夜未明、〇〇市△町の住宅街で腹部から血を流して倒れている人がいる、との110番通報がありました。
警察の調べによると、すでに被害者は亡くなっており、腹部の刺し傷や防犯カメラの映像から他殺であると確定しました。
また、数日前に起きた通り魔殺人と同じような手口から、同一犯によるものとみて捜査を進めています。〉
ab「嫌なニュースだねえ…」
ふわぁ…と可愛らしい欠伸を一つ漏らしながら私の横でテレビを見る機械人形。
毎度のことながら、仕草一つひとつが本物の人間のようで、その性能の高さに感心する。
ab「ん？Aどうかした？」
無意識に彼のことを見ていたらしい。
大きな瞳のパッチリ二重がこちらを見てコテン、と首を傾げた。
「ううん、なんでもない。亮平の欠伸可愛いなって思っただけ」
亮平はれっきとした機械人形であるが、人が何を考えているのか感じ取ることに長けている。
だからこそ、きっと私が思ったことなんて亮平ならすぐ気づいてるんだろうな、なんて思いながらも適当な理由をつけて誤魔化す。
私が何も言わないのを察したのか、亮平も視線をテレビの画面へと戻した。
dt｢噂だと機械人形が関わってるらしいよ、この事件｣
はい、とテーブルに私のお気に入りのコップを置いて、亮平と反対側のソファのスペースに涼太が座る。
ほわほわと白い湯気が立ち、コーヒーの香りが鼻をくすぐる。
うん、やっぱりこの匂い大好きだ。
｢ありがと…でも、機械人形って戦闘機能ないんじゃなかった？」
dt｢うーん、それがどうもそうじゃないみたいなんだよね…｣
涼太は何とも歯切れの悪い言い方をして苦笑いを浮かべる。
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作者名：あさい。 | 作成日時：2023年2月22日 2時
