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「分かりました、家に帰ったら読んでみます！大切にしますね」
そう言って深澤さんがくれた本と、元々購入しようと思っていた本を受け取って鞄にしまう。
fk「うん、そうしてくれると嬉しいわ。あ、そうだ、これ見てよ。今はかなり珍しい紙タイプの機械人形の説明書と資料」
「うわ、すごい分厚いですね……」
fk「滅多に出回ってなくてようやく手に入ってさ、機械人形が誕生したて？ぐらいの時の説明書って本当に貴重なんだわ。せっかくだし特別に見せてあげる」
深澤さんが今ではあまり見ない分厚い本を手に取り、パラパラとめくってから私の手に乗せる。
ずしっとした重さが手に加わり、思わず驚きの声が出た。
「も、ものすごく重いじゃないですか…！辞書みたい…」
fk「でしょ？少し前までこんな分厚いの見てたなんて今じゃ信じらんないよね」
1度持ち直し、本を開いてみる。
機械人形のパーツの説明や性能、修理の仕方など、この1冊があればなんでも出来るのではないかと思えるほどの情報量がぎっしり。
今では説明書や資料なんかも全て電子化されて、タブレットさえあればこんな重たくて分厚い本を見る必要もなくなった。
でも、機械人形の性能も上がったことで、購入者の手では直せなくなり、必ず製造会社へと修理をお願いしなければいけない。
もちろん修理代も馬鹿にならない値段。
fk「これ以外にまた他の資料も入荷するつもりだから見に来てよ」
「え、いいんですか！また来ます！」
fk「俺があげた本もちゃんと読んでね？」
「もちろん読みます！深澤さんがおすすめしてくださる本、どれも面白くてスラスラ読めちゃうんです」
fk「そう言われると俺も薦めがいがあるわ」
ふわっと笑う深澤さんの笑顔は爽やかで、たまーに見かける他の女性のお客さんがこの笑顔に撃ち抜かれているのも分かる。
「この本、ありがとうございます、また来ますね」
fk「はーい、お待ちしてまーす」
少し雑談をしてお店を出る。
ひらひらと手を振ってくれる深澤さんに振り返ってお辞儀をして家に向かった。
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作者名：あさい。 | 作成日時：2023年2月22日 2時
