la coexistence (ページ28)

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「どういうこと…？翔太は目撃者だったはず…」

なぜ翔太の名前が書かれているのか。
そして、なぜメモを残した誰かがこの暗号を知っているのか。

「まさか、翔太がこの事件の犯人…！？」

信じたくはなかったが、今この状況ではそうとしか考えられなかった。

でも、だとしたらなぜ俺に解読されるかもしれないというリスクがあるのに、この暗号を使って現場にメモを残したのか。

なぜ目撃者として名乗り出たのか。

「”6月15日22時繁華街にある△店の路地裏で待つ渡辺翔太”……今日の夜か」

部屋の時計は21時を指していた。
指定された繁華街はここから1時間ほどかかる。
いま出かければ間に合うだろう。

立ち上がってスマホや財布をポケットに入れ、勢い良く扉を開けると、俺に用があったのか、部屋の前にいた阿部とぶつかりそうになった。

ab「うわっ！っと………舘さん！ご飯だって」

「ごめん、急用が出来た。ちょっと出かけてくるね。申し訳ないけど、帰ってきたら食べるから置いといてくれるようAに頼んでおいてくれる？」

ab「え、そうなの？分かった、気をつけてね」

阿部に鍵の施錠をお願いし、繁華街へと向かった。

まさか、あれほど望んでいた幼馴染との再会がこんな形でやってくるとはさっきまでの自分は思いもしなかっただろう。

今でもまだ信じられないのだから。

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