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それから数日後。
結論から言えば何も事件の手掛かりがなく、メモに書かれた記号の意味は分からないままだった。
そして、翔太の姿を見つけることも出来なかった。
iw「おかえり。今Aがご飯作ってるところだからもう少しで夕飯ね」
家に帰るとちょうど二階から降りて来た照と会う。
大学生の時から住んでいるこの家は元々照とA、そして二人のお母さんが住んでいた。
二人のお母さんは俺が大学3年の時に病気で亡くなってしまったが、実の息子のようにすごく可愛がってくれて、ひとり暮らししようと探していた自分にピンと来る物件が見つからず困っていた俺を、部屋が余ってるからと受け入れてくれた優しい人だった。
自室に戻り、着ていたジャケットを脱いでハンガーに掛け、ネクタイを緩める。
ふう、と一息つきながら椅子に座り、一度事件の内容を整理しようと鞄から事件の詳細をメモした手帳を取り出す。
その時、手帳からひらりと一枚の紙が落ちた。
「これ、小学生の時の写真だ…」
拾って裏返してみると、そこには二人の少年が仲が良さそうに並んで写っていた。
もちろん片方は俺で、もう片方が翔太だ。
「確かこの頃二人でよく変な遊びしてたな…鬼ごっことかもしてたっけ。そういえば他の人にバレないよう暗号みたいなのも作って手紙書いて遊んでたな…」
懐かしい翔太との思い出が蘇ってくる。
…ん？待てよ。今暗号作ったって言ったよな俺。
確かその時に作った暗号って、今回の事件現場に残されたメモと同じ記号だったような。
紙とペンを取り出し、必死に昔の記憶を思い出す。
今回の事件の目撃者が俺の探している翔太と同姓同名の人ではなく、幼馴染の彼なのであれば、きっと。
「確かこんな感じだったはず」
書き出した記号は今回の事件を含めた4件の事件に共通して残されていたメモと同じものだった。
手帳を開いて暗号と照らし合わせていく。
1枚目は日付、2枚目は時間、3枚目は場所を表していた。
そして、
「この記号は…………
わたなべ、しょうた…」
4枚目は差出人の名前を表していた。
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作者名：あさい。 | 作成日時：2023年2月22日 2時
