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目黒side
「っ…！」
二人が完全に見えなくなり、扉がパタンと音を立てて閉まった途端、強い眩暈に襲われ一瞬目の前が暗くなり、思わずぐらりと身体が傾く。
倒れないようぐっと壁に寄り掛かってグラグラする身体を支える。
kj「めめ！！」
俺の少し後ろにいた康二が慌ててすっ飛んでくる。
kj「めめ大丈夫！？っど、どうしよ、俺がAちゃんと照くんに会いたい言うたから…！俺の所為や…！！」
とりあえず水！！いや安静にするのが先か…？めめ歩ける！？あ、ここで座ってた方が…と目眩を起こした俺よりもパニックになり頭を抱える康二。
「大、丈夫…いつものやつだから…康二の所為じゃない…康二の所為じゃないから…」
涙目になっている康二を落ち着かせるように何度も同じ言葉を繰り返す。
そう、決して康二の所為なんかじゃない。
かなり頻繁に起こっていた眩暈が、ここ最近は起こることがなかったために油断していただけだ。
ずっと床に座っていてもキリがない。
まだほんの少しフラフラするが、立ち上がってソファに移動して横になる。
その間も絶え間なく康二が声をかけ続けてくる。
「ほら、もう大丈夫だから。康二も落ち着いて」
kj「ごめん…ごめんな、めめ」
その言葉を何度聞いたことか。その「ごめん」の中にはきっとあのことの謝罪も含まれているのだろう。
謝らなくていい。俺が自分で決めた事なのだから。
うまく言葉で伝えられない俺は、今日も不安で泣きそうな康二を静かに抱きしめて安心させるように人間よりも遥かに硬い背中をぽんぽんと叩いた。
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作者名：あさい。 | 作成日時：2023年2月22日 2時
