検索窓
今日:22 hit、昨日:7 hit、合計:60,923 hit

第20話 ページ21

.
.


A「ねぇ、サスケ。どこ行くの?」

サスケ「ついてこい」


夜だからなのか、あまり人気(ひとけ)が感じられない場所へサスケはAを連れながら入る。


A「…!(あ…ここは…)」


足を止めた場所は、“立ち入り禁止”と文字が入っているテープが巻かれている門の前。


A「うちは一族の…」

サスケ「ああ…」

A「(サスケ…?)」


テープを睨むサスケを横目で見て、Aはきょとんとする。


A「なにかあったの…?」


サスケがAに振り向く。


A「悪いことを聞いたらごめんね。…なにか、事件があったの?」

サスケ「…オレ以外のうちは一族が抹殺された」

A「…」


Aは口をつぐむ。


A「…誰に?」

サスケ「…オレの兄、うちはイタチだ」

A「…!?」


Aは目を見開く。


イタチ──どこかで聞いたことがある。


確か…。


A「(…!!そうだ、あの人が…)」


今では遠い記憶なので曖昧だが、確かに言っていたことは覚えている。


たった一度だけ、自分を外の世界へ連れ出してくれた彼。


名前を名乗らないまま、去った彼が…。


A「(『オレはイタチとはあんまり話が合わない』って、あの人が呟いてたんだ…)」

サスケ「…オレはアイツを許さない」


サスケが歯を食いしばって低い声音でそう言ったのに、Aは我に返る。


サスケ「オレは絶対アイツを殺す…」

A「サスケ…」


Aがそう呼んだとき、サスケの手がAの顔の横に伸びる。


A「サ──」

サスケ「…A」


言葉が、途切れた。



***



彼はいつも、澄んだ眼差しで私を見下ろす。


『お前は笑顔を知らないのか』


そう問われて、こくりと頷けば、彼は眉根を寄せた。


『…人柱力という存在はどこにいても、忌み嫌われるのだな』


苦々しくそう言って、彼は私の手をつかんだ。


決して強くなく、それでいて離そうとはしない程度の力で。


『来い。オレがお前に外の世界を見せてやる』


長く黒い髪がなびき、風が頬を撫でる。


私は彼について行った。


.
.
.

第21話→←第19話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
設定タグ:NARUTO , 人柱力 , ミント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りん - 続きはないのですか? (2021年10月3日 8時) (レス) @page33 id: 7f0804ae82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーさん - サスケに一票! (2014年12月15日 0時) (レス) id: 668ebb6221 (このIDを非表示/違反報告)
? - サスケで//////// (2014年10月6日 16時) (レス) id: ad84816bae (このIDを非表示/違反報告)
ナカニン☆ - サソリに一票!! 御願いします♪ (2014年8月26日 19時) (レス) id: 5703a04258 (このIDを非表示/違反報告)
エア - マダラぁ…///// あ、取り乱してすいません!! とっても面白いですッ!才能あっていいなー って思います。更新待ってまぁすっ(^∀^)/ (2014年8月21日 17時) (レス) id: 95983f28e4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミント | 作成日時:2014年4月15日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。