第20話 ページ21
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A「ねぇ、サスケ。どこ行くの?」
サスケ「ついてこい」
夜だからなのか、あまり人気(ひとけ)が感じられない場所へサスケはAを連れながら入る。
A「…!(あ…ここは…)」
足を止めた場所は、“立ち入り禁止”と文字が入っているテープが巻かれている門の前。
A「うちは一族の…」
サスケ「ああ…」
A「(サスケ…?)」
テープを睨むサスケを横目で見て、Aはきょとんとする。
A「なにかあったの…?」
サスケがAに振り向く。
A「悪いことを聞いたらごめんね。…なにか、事件があったの?」
サスケ「…オレ以外のうちは一族が抹殺された」
A「…」
Aは口をつぐむ。
A「…誰に?」
サスケ「…オレの兄、うちはイタチだ」
A「…!?」
Aは目を見開く。
イタチ──どこかで聞いたことがある。
確か…。
A「(…!!そうだ、あの人が…)」
今では遠い記憶なので曖昧だが、確かに言っていたことは覚えている。
たった一度だけ、自分を外の世界へ連れ出してくれた彼。
名前を名乗らないまま、去った彼が…。
A「(『オレはイタチとはあんまり話が合わない』って、あの人が呟いてたんだ…)」
サスケ「…オレはアイツを許さない」
サスケが歯を食いしばって低い声音でそう言ったのに、Aは我に返る。
サスケ「オレは絶対アイツを殺す…」
A「サスケ…」
Aがそう呼んだとき、サスケの手がAの顔の横に伸びる。
A「サ──」
サスケ「…A」
言葉が、途切れた。
***
彼はいつも、澄んだ眼差しで私を見下ろす。
『お前は笑顔を知らないのか』
そう問われて、こくりと頷けば、彼は眉根を寄せた。
『…人柱力という存在はどこにいても、忌み嫌われるのだな』
苦々しくそう言って、彼は私の手をつかんだ。
決して強くなく、それでいて離そうとはしない程度の力で。
『来い。オレがお前に外の世界を見せてやる』
長く黒い髪がなびき、風が頬を撫でる。
私は彼について行った。
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りん - 続きはないのですか? (2021年10月3日 8時) (レス) @page33 id: 7f0804ae82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーさん - サスケに一票! (2014年12月15日 0時) (レス) id: 668ebb6221 (このIDを非表示/違反報告)
? - サスケで//////// (2014年10月6日 16時) (レス) id: ad84816bae (このIDを非表示/違反報告)
ナカニン☆ - サソリに一票!! 御願いします♪ (2014年8月26日 19時) (レス) id: 5703a04258 (このIDを非表示/違反報告)
エア - マダラぁ…///// あ、取り乱してすいません!! とっても面白いですッ!才能あっていいなー って思います。更新待ってまぁすっ(^∀^)/ (2014年8月21日 17時) (レス) id: 95983f28e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミント | 作成日時:2014年4月15日 14時