LOVE.10 ページ11
「煙ちゃん先輩いーなー、俺もAちゃん先輩の推しになりたいっす！」
「いや、推しってなろうと思ってなるものじゃないだろ」
「え、そうなんすか？」
俺よくわかんないっす、と有基は唇を尖らせ、眉を八の字に下げた。
私は大丈夫だよと、有基のふわふわの金髪に指を埋めた。
「私は煙ちゃん寄りの箱推しだから！」
「箱推し、とは？」
「全員が推しって意味。その中でも煙ちゃんは特に、ってことだよ」
不思議そうに聞き返した硫黄に説明すると、煙ちゃんからはなんとも気の抜けた声が聞こえた。
「まぁ別に、俺は推しとかなんでもいいし」
「じゃあ先輩、俺と場所変わってくださいよ！俺も女の隣で寝たい！」
「俺も変わってほしいっす！Aちゃん先輩の推しになるっすー！」
高々と手を挙げたリュウとそれに続いて有基も手を挙げて煙ちゃんに訴える。
「それはやだ」
「うぜー！！」
「ずるいっす！！」
牙を剥く二人とひらひらと手を振る煙ちゃんを微笑ましく見つめた熱史が「煙ちゃん、実は嬉しいんでしょ」と言うと煙ちゃんは「あ、バレた？」と優しく笑った。
「ふあ、ぁ……」
そんな煙ちゃんたちを眺めていると思わず欠伸が。だんだん瞼が重くなってきて、ゆらゆらと傾いた私の体を隣に座っていた硫黄が手で支えてくれた。
「わ、ごめん……」
「眠くなってきました？」
硫黄の問いかけにこくんと頷く。
閉じかけの目をなんとか開いて体勢を立て直そうとすると、ぐらりと体が傾き、ぽすんと音を立てて布団に倒れ込んだ。
「相当疲れてたのかな、もう寝そう」
「本当っすね。俺たちも寝ます？」
「そうするっす……俺ももう眠い……っす」
ゆっくりとフェードアウトしていく視界と一緒に、みんなの話し声が遠くなっていく。
「有基も寝ましたね……こら有基、ちゃんと布団かけないと風邪引きますよ」
「煙ちゃん、Aに布団掛けてあげて」
「おー」
あ、寝そう、とすうっと遠のいていく意識の中、最後に聞こえてきたのは、煙ちゃんの声だった。
「……おやすみ」
その夜、鼻血の出し過ぎで死ぬ夢を見た。
＊＊＊
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七虹*(プロフ) - 最ッッ高に面白いです！！更新するのは疲れるでしょうが頑張ってください！！！無茶苦茶応援してます！ (2017年8月2日 1時) (
レス) id: c56f76e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - この小説を読んでいたら私が不登校だったときこのアニメ(一期)に助けられていたことを思い出しました。更新頑張ってください！ (2017年7月27日 10時) (レス) id: 22fe0020ad (このIDを非表示/違反報告)
みっちぇる(プロフ) - すごく面白くてキュンキュンします！頑張って下さい！ (2017年4月9日 18時) (レス) id: 994ee7041b (このIDを非表示/違反報告)
†NONOKA†(プロフ) - くぁぁぁぁ！！萌えが、萌えが止まらない、、、ありがとうございます！この作品に会えて本当に良かった！更新頑張って下さい！！ (2017年4月6日 23時) (レス) id: 68ea886e3c (このIDを非表示/違反報告)
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