びりびり２０ ページ20
────キーンコーン……
いつまで赤い顔を抱きしめられていたのか。
その感覚すらも麻痺していたのか、気づけばお昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴っていた。
「やっべ、次相澤先生じゃね！？」
「うわマジ！？怒られるよ！！」
慌てて私から離れた上鳴はダッと渡り廊下を走……ると思いきや、ぴたりと止まって、私に向かって手を伸ばした。
にやけそうになる顔をおさえて手を重ねれば、ぎゅっと指が絡んで、手を繋いだまま二人で走った。
結局、だだっ広い雄英の校舎を走っていたら、教室につく前に5限目の予鈴もあっという間に鳴ってしまい、教室の扉を上鳴が開けると、クラスメイトと相澤先生の視線が一斉に注がれた。
「お、遅れてすみません……」
「さーせん………」
「………上鳴はともかくお前もか、珍しいな」
「俺はともかく！？」
じっと私を見据え、サラリと告げられた相澤先生の言葉にひでー！と喚く上鳴は無視して、すみませんと頭を下げる。
「ま、いつもは優秀なお前が遅刻ってのも、何か事情があったのかもしれないが………それでも遅刻は遅刻。
二人とも、罰として放課後居残りでプリントの仕分けな」
「うっす……」
「はい……」
しょんぼりと肩を落とし、“怒られたね” “なー”と視線を送りあったところで、再び相澤先生からとんでもない言葉が降ってきた。
「…………あとお前ら、いつまで手ぇ繋いでんだ」
「「あっ」」
・
その後、ようやくくっついたかーとか、おめでとーとか、切島たちに茶化されて、茶化したみんなと倍で怒られた。
しかも、色恋沙汰に現を抜かすなんてヒーロー志望として合理的じゃないなんて相澤先生に小言も言われた(でも微かに笑っていたような気もする…？)。
更には罰として二人でやったプリントの仕分けも結構な量で、夕焼け空が紫がかるまでかかったし、散々な午後だった。
けどこうやって、同じ帰り道を歩いて、
「楽しくないこともなかったね」なんて言いながら、あのサイダー片手に笑って帰れたからいいとしよう。
Fin.
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おまめ - 好きなんだけど。 (2022年8月11日 20時) (
レス) @page21 id: 6bc0b48c6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - アッ、めちゃくちゃキュンキュン…。。。 (2020年8月16日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
なっか(プロフ) - 小言を言いながらも微笑む相澤先生にキュンとしました…！！！← (2018年5月12日 0時) (レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
ハルナ(プロフ) - 上鳴推しにはたまらない！完結おめでとうございます！ (2018年5月11日 23時) (レス) id: c9e881fafc (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き(プロフ) - 完結おめでとうございます！今までずっと読ませていただきました！とっても良かったです！この作品とっても大好きです！ (2018年5月11日 7時) (レス) id: 3826f1abaa (このIDを非表示/違反報告)
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