Dreamers ～夢の中で彷徨う僕等は～【SEVENTEEN】 (ページ38)

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39 ミンギュ side ページ38

Aとミンハオが思いあってるのは
薄々気づいていた。

2人を1番近くで見てきたから。

いつも、お互いを特別な眼差しで見つめて…。

ミンハオなら……ミンハオだから、
いいと思えたんだ。

俺のAへの思いに蓋をしてもいいと。
自分の入る隙はどこにもないと思ったから。

「お前が何よりも夢を優先してきたのは知ってる。

俺らが遊んで眠ってる間もお前は1人
誰よりも努力してたのを側で見てきた。

ミンハオはきっと、これからもそうなんだと思うよ。そうなんだと思う…

でも、本当にそれで後悔しないか？」

すると、ミンハオは何かを悟っているかのように微笑み、口を開いた。

「きっと後悔ばかりだと思うよ」

「ならどうして…！」

「……僕の夢が叶う保証なんて
どこにもないからだよ。

たとえ成功したとしてしても
こっちに帰ってくるかも分からない。

そんな不確かな状態でAにずっと
待っててほしいなんて無責任なこと言えないよ。

そうだろ？」

「ミンハオお前……」

まさかミンハオが自分の夢が叶わないかもしれないと、少しでも考えてるなんて思いもしなかった。

いや、俺がミンハオの夢は当然叶うものだと思っていたんだ。

才能もあって、誰よりも努力する貪欲さも持ってるこいつが、いつも俺たちの前を走ってるこいつが

夢を叶えられないんて少しも考えなかった。

でも、こいつは違う。

ミンハオは夢を追いながら
いつも現実と向き合ってる。

叶えたい夢は誰もが簡単に手に入れられるものじゃないと本当の意味で理解してる。

本当にそれを手に入れたいのなら
手放さなければならないものは

決して少なくないのだと。

「なぁミンギュ。

僕は例えどの道を選んだとしても後悔するし
失うものはあると思うんだ。

だったら僕はそれ以上に得られるものがあると信じて、自分の選択した道を進むしかないと思うんだよ」

そう話す彼の切れ長の目には研ぎ澄まされたような鋭い光りを含んでいた。

「やっぱ、お前は凄いよ」

「え？」

「いや、本当にミンハオって前しか見てないんだなぁって」

ミンハオには、いつまでたっても
追いつけそうにない。