Dreamers ～夢の中で彷徨う僕等は～【SEVENTEEN】 (ページ35)

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大学での空き時間。

次の講義が始まるまで

学内広場の木陰のベンチで
風景をスケッチする。

夏の名残をとどめたまっすぐな白い雲と
秋の黄色く乾燥した草地。

目を瞑り、思いっきり空気を吸い込んだ。

「秋の匂いがするね」

その声に驚き、目を開くと
ミンハオが微笑みながら私の隣に腰をかけた。

「今日も描いてるんだね」

『うん。次の講義が始まるまで暇だし
描いてないと落ち着かないからね。ミンハオは？』

「僕は最近何かと忙しくて、全然描けてないなぁ」

『ミンギュから聞いたけど
最近は作曲に力入れてるんでしょ？』

「あぁ、前から挑戦してみたいと思ってたんだ」

『凄いね。ミンハオはどんどん前に進んでる』

「そんな事ないよ。僕はAの方が凄いと思う。こんな素敵な絵僕には書けないからさ」

ミンハオはそう言うと、私のスケッチブックを
ヒョイっと取り、ページをめくって絵を眺めた。

『あ！あんまりじっくり見ないでよ。
絵が上手いミンハオより全然だから、恥ずかしい』

「ハハッ！Aに上手いって言われると嬉しいよ」

ミンハオは手で口を覆い、無邪気に笑った。

「Aは本当に温かい絵を描くね」

『温かい…？』

「うん。誰かの心に火を灯すような絵だ」

そう言ってミンハオは私の瞳を真っ直ぐに見つめた。