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ミンハオがライブハウスから出るのを見送った後も
皆でお酒を飲みながら音楽を楽しんだ。
ほろよく体にアルコールが周りはじめ
私は酔いを醒めすためにエマ達から離れて
飲み物をとりにカウンターへと向かった。
そしてカウンターで水をもらい
エマ達の元へと戻る途中だった。
「っ！」
人にぶつかりコップの水が
ぶつかった人の服にかかってしまった。
『あっ！すいませ……』
慌てて謝り顔をあげると
そこには彼がいた。
「前にもあったよね？こういう事」
『バーノンさん…！』
呆れたように笑いながら
濡れた服を気にかける彼。
『ごめんなさい！また洋服よごしてしまって！』
「大丈夫だよ。それより君は大丈夫？」
『はい、私は大丈夫です』
「ジョシュアの所でインターンしてた子だよね？
名前は確か……」
『Aです』
「Aか。ここでも会うなんて偶然だね」
彼は麗しい瞳をこちらに向けて微笑んだ。
やっぱり、モデルなだけあって綺麗な顔立ちをしていると純粋に思う。
『バーノンさんはよくここに来るんですか？』
「たまに…ね」
彼は目尻を下げ、何かを懐かしむように言った。
『私の友達が毎週ここでライブしてるんですけど、
もし良かったらその子たちとも一緒に飲みませんか？洋服汚しちゃったお詫びにお酒ご馳走します！』
「良いの？」
『バーノン さんが良ければ是非！
因みに友達ってのは1番最初に歌ったバンドの子なんですけど、その子に感想言ったら喜ぶと思いますし！』
「そうだね…でも、せっかくだけど遠慮しとくよ。
今日はもう帰るから」
『そうなんですね。
なら、また今度洋服のお詫びさせてください』
「うん。今度ジョシュアにもあったら伝えとくよ。
Aにまた服汚されたって笑」
そう言って綺麗な顔をクシャっとさせて
笑うバーノンさん。
『バーノンさん！からかわないで下さいよ笑！』
「ごめん、ごめん。あとAさ
バーノンて呼び捨てでいいよ」
『え？』
「多分、Aより俺の方が歳下だと思うから」
『ウソ…！』
最初会った時は落ち着いた雰囲気の彼を見て
年上なのだと思っていたが
時折見せる無邪気な笑顔は確かにまだ幼かった。
「アハハハッ！じゃもう行くね！」
彼はそう言ってその場を後にした。
たった2回会っただけで連絡先も何も知らない。
けれど、また会える。そんな気がしていた。
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作者名：lala | 作成日時：2021年3月7日 0時
