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『ミンハオはさ、死ぬまでにしたい事ってある？』
「バケットリストかー。そうだなぁ、いろんな国に行って世界を見たいなぁ。あと、海の見える家に住みたい！」
そう話すミンハオの瞳はキラキラと輝いている。
『なんかミンハオらしいね。ミンハオならきっと叶えられるよ』
「そうかな？そうだと良いな。
Aにもある？バケットリスト。」
『私？』
「うん。Aの話を聞かせて？」
こちらを見つめながら、そう伺うミンハオ 。
『私は……』
ミンハオの側でこうやって、他愛も無い話をずっとしていたいな……。
そんな想いをグッと胸に閉じ込めて、言葉を続ける。
『私は…あんまり思いつかないや笑』
「なんだよそれ笑 人に聞いといて、自分は言わないとかずるいぞ」
『本当だよ！ だから、ミンハオみたいにやりたい事が沢山あって、夢が明確なのが羨ましいなっていつも思ってる。
私には、無いからさ。夢とか、目標とか。
ただ毎日、今みたいに撮りたい写真を撮って、描きたい絵を描いていきたいなぁって漠然と思ってるだけだから』
そう言うと、ミンハオは沈みゆく夕日を見つめながら静かにゆっくりと口を開いた。
「人ってさ、絶対に本当にやりたいって思えるものは、そんなにいらないと思うんだよ。
生きていて1個か2個あれば良いと思うんだ。Aにとって、それがカメラや絵なんでしょ？それだけあれば充分だと思う。
だから、僕を羨ましがる必要なんてないよ。
AはAなりに、その想いを大切に育てて行けば良いよ」
彼はそう言うと、立ち上がり手をこちらに差し出して、優しく微笑んだ。
「じゃぁそろそろ家に帰ろうか」
私は、その手を掴んで立ち上がる。
「うん！」
ミンハオと居ると心が温かくなる。
安心する。
胸が高鳴って、ドキドキする。
自然と幸せな気持ちになる。
私はポケットからスマートフォンを取り出してその海辺に沈む夕日をカメラに収めた。
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いつの日か、この思い出が
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作者名：lala | 作成日時：2021年3月7日 0時
