38 ページ39
＿＿＿＿＿
no side
四人は所謂ゲーム友達というものである
お互いにとても気を許しているし気が合うようで、暇さえあれば自然と集まっている
「さぁね。でもあんまり悠長にしてる時間はないんじゃないの」
イブラヒムはポテトを一つ摘まみながら言う
「そうやね〜。イブの言う通り女の子って気まぐれだからね〜。」
ふわっちもまた、ふわふわとしたしゃべり方で賛同する
「俺はよく分かんないけど、この二人が言うならそうなんじゃない？」
ローレンは興味を無くしたようで適当に話を合わせる
三人の言葉を聞いた葛葉は少し俯いた後、わり、今日はもう帰るわ、と言い席を立った
・
・
・
残った三人は顔を見合わせ肩をすくませた
「ん〜、なんか変に拗れてんね」
「ま、最後にあいつの背中押すのは俺らじゃないしね」
シルバーの髪の男と褐色肌の男は店の扉の方を見つめ呟いた
「いぶいぶいぶいぶ！！！見てこれ！！これ勝ち確だろ！！こーれ、勝ちました」
2人が話している間にゲームを再開していた赤髪の男は興奮した様子で話す
その様子にまた肩をすくませた2人は、まぁ何とかなるだろうと、考えるのを放棄した
・
・
・
＿＿＿＿＿
葛葉side
店を出た俺は目的もなくただぶらぶらと歩いていた
頭の中を色々な考えが巡る
こんなにも誰かの事で悩んだのは初めてで上手く整理がつかない
目に入ったのは、初めて彼女と話したあの廃れた公園
無意識にここまで足を運んでいた自分に、重症すぎだろ、と嘲笑し足を踏み入れる
錆び付いたブランコに腰を掛け空を見上げる
どのくらいそうしていたのだろう
良く知っている気配が近づいてくるのを感じ視線を向ける
「かなえ…」
「葛葉、少し話そう」
目に映るのは眉を少し下げながら笑う叶の姿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 311人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：右京 | 作成日時：2024年3月20日 22時
