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最近葛葉くんの様子が可笑しい
葛葉くんと目が合わなくなった
その代わり叶くんとよく目が合うようになった
葛葉くんの隣に可愛いあの子の姿を見ることが増えた
その度に胸が痛くなる
バレないように泣きそうになるのを必死に耐えた
それでも叶くんには毎回気づかれて、励まして貰った
私の気持ちにはずっと前から気づいていたようで、
私は叶くんには足を向けて寝ることは一生できないだろう
それからというもの、叶くんとの仲はすごく縮まり、反対に葛葉くんとの間には見えない分厚い壁が出来てしまった
「私、何かしちゃったのかなぁ」
嫌われてしまったのではないかと、不安に押しつぶされてしまいそうで
「主人公ちゃんは何もしてないよ、これはあいつの問題だから」
「葛葉くんの…?」
「そ。まぁ、時間はかかると思うけど、待ってやってよ」
「うん…」
そうは言われても心は穏やかになることはなくて
それでも彼の言う通り待つこと以外私にはできないから
今日も私は笑顔でいるの
彼とまた笑いあいたい
彼の隣にまた立ちたい
彼と幸せになりたい
ただそう願って
_____
叶side
あいつはバレていないとでも思っているのだろうか
ここ最近僕と主人公ちゃんと距離を取るようになった
原因は分かっている
だけどこのまま僕が引き下がるだけでは駄目だから
あいつ自身があと一歩を踏み出さなければ意味がないから
早く気づけよ
お前は僕たちを思ってそうしてるのかもしれないけどさ
彼女はそのせいで今日も悩み苦しんでいるんだぞ
なんでその子に笑いかけてるんだよ
気付いてる? 無意識に彼女を見ていることに
気付いてる? 彼女の気持ちに
気付いてるよね、僕の本当の気持ちに____
どこまでも不器用で、どこまでも優しい王子様
お前の本当のお姫様はいったい誰?
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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時