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葛葉side



その光景を見ていることが出来なくて来た道を戻る



足がもつれて何度も転びそうになる



何も考えられない



「はッ…はぁッ…」



いつだったか、叶に言われた言葉を思い出した





_葛葉はさぁ、主人公ちゃんの事どう思ってるの?_




_はぁ?どうって何?_




_他の子よりも特別?_




_…別に、普通だけど_




_…ふーん_

 




いつだって彼女の隣に居たのは叶だった



彼女が影口を言われているのは知っていた



だけど、話しかける勇気が出なくて、俺はただ見て見ぬふりしかできなくて



叶が何度も彼女の手を引いているのを見かけた



その度に、醜い感情が湧き出てくるのを必死に抑えて



俺にはそんな感情を持つ資格はないのだから



それでも、転機が訪れて



俺もやっと彼女の隣に立つことが出来たのに



彼女の手を引くことが出来るようになったのに



肝心な時に彼女の隣に居ることはできなくて



お前には彼女の隣は相応しくないと言われているようで



あぁ



痛い



「ははッ、いてぇなぁ」



乾いた笑いが零れる











_そこいるのは灰色のアスファルトを濡らして歩く一人の王子様_

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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時

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