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朝、いつもの道を歩いていると前方に集団がいるのが見えた
何だろうと不思議に思いながらもこの道を通らなければ目的地には辿り着けないので、そのまま歩みを進める
距離が近づくにつれ明瞭になる見慣れた顔ぶれ
いつも私の影口を言ってくる子たちであった
なんでここにいるのか分からないが、絡まれたら面倒だと思い歩みを早める
「主人公ちゃん、だよね…?」
そんな私の足を止めたのは嫌になるほど聞いたあの子の声
驚いて顔を上げると可愛らしく笑うあの子の姿
「少し話せるかな?」
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場所は変わって近くのファーストフード店
「急にごめんね、用事とか大丈夫だったかな?」
形の良い眉を下げて聞いてくるけど所詮建前に過ぎないそれに
私には拒否権など存在しないでしょ
なんて心の中で悪態をつくが表には出さずに笑顔で流す
そんなことよりも周囲の視線の方が気になる私は目線を動かしながら
「大丈夫だよ。それよりも、大人数でどうしたの?」
彼女は何てことないような素振りで答える
「彼女達、私が主人公ちゃんと話したいって聞いた途端危ないからやめときな!ってうるさくて(笑)」
「でも私どうしても貴方と話したいのって伝えたら、私たちもついてく!って聞かなくてさぁ。
ごめんね?気になると思うけど気にしないで」
はいはい。自分は大切にされてますよアピールか何か?
というか、それを私に態々伝えるのも失礼だとは思わないのかしら
知能レベルの低い子、これは言い過ぎかしら
先ほどから悪態が止まらないのをどうか許してほしい
今日は久しぶりに仕事終わりのお母さんと外食を取る日だから少しでも綺麗になりたくて美容院に行く予定だったのに、これじゃあキャンセルね
この後の予定を頭の中で立てながら彼女に用件を催促する
「うーん、お話っていうか、不思議に思う事があってね。」
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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時