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いつも通りの朝を迎える



いつも通りの道を歩いて



いつも通り聞こえてくる私への陰口



そして___



いつも通り輝いている彼を見る



そんな彼の隣に立つあの子の姿も目に入る



一度彼と目があったが気がしたが、その視線はすぐに隣のあの子の元へ



_____いいなぁ_____




すると背後が騒めく。その騒めきに叶くんが来たんだな、なんて思いながらも視線は二人から外れない



きっとこの後、叶くんがいつも通りの笑顔を浮かべて挨拶をしてくれる



何もかもがいつも通り



昨日は幸せな悪夢(・・・・・)を見ていたのよ、なんて自分に言い聞かせて彼らから視線を動かそうとした時

突然耳に入ってくる心地良いテノールの声



「主人公…さんッ、おは、よ」



たどたどしく言葉に詰まっているがはっきり聞こえてきた私へのあいさつの声



そんな姿に可笑しくなっちゃって



「ふふっ、おはよう、葛葉くん」



何もかもがいつも通りなんて嘘ね



だって葛葉くんという存在が私の朝に加わったのだから



「ねぇ、なんでさん付けなの?」


「いや、それは…」



軽口を叩けるのがどんなに贅沢なことか



葛葉くんの背後で目を見開き此方を睨む可愛いあの子と



私の背後から聞こえてこなくなった一つの足音の存在には気づかぬふりをして






___________






_ほんの少しの綻びが生じるだけで物語は一転する_




_止まっていた物語は動き出した_




_この綻びが彼らにとって吉と出るか、凶と出るか_




_それがわかる者は誰もいない_




_でもたった一つ確かなことがある_




_みんなが幸せな未来を迎える物語など存在しない_






_________

初めまして、作者です。ここまで読んで下さりありがとうございます。

ここで一段落ついたかなという感じです。

自己満で作り出したお話が、気付いたら多くの方の目に留まっていることに驚きと共に喜びでいっぱいです:)

頭にお話が浮かんだ時に書いているので更新は不規則ですが、最後までお姫様と王子様を見守って下さると嬉しいです。 よろしくお願いします:)





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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時

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