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葛葉side
俺の声に反応した彼女は勢いよく振り返った
いやマジ何やってんだ俺
正気か?? なんで声かけた??
ほらぁ!!驚きすぎて固まっちゃってんじゃん!!!
ほぼ初対面の男に声かけられたら怖いわな
しかもこんな遅い時間に、こんな場所で
そんなことより、なんか言わねぇと
「か、風邪…引きますよ、」
いや…意味わかんねぇよ!!!何言ってんだ…!?
平静を装うと余計に声が震えた
「え…?あ。雨…」
彼女は少し呆けた後に上に視線を向け呟いた
意外と抜けてる所あるんだな、なんて頭は平静だが、胸中は荒れに荒れている
今まで、俺に、俺だけに彼女が言葉を、視線を向けてくれるなど無かった
いつも彼女の隣には叶がいて
俺に矛先が向くなど夢のまた夢だと思っていたから
それが、たった今、こんな辺鄙な場所で
こんなにも突然起こるなんて誰が予想できるものか
まぁ、会話とは程遠いほどの短いやり取りだけどな
なんて嘲笑してる反面、俺の臓器は素直で
不整脈______
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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時