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"高等学校卒業程度認定試験"
それは高等学校を卒業していない者が、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験である。


この家を出て、働く場所を色々探していて、この資格を取った方がいいと判断した。高卒認定試験は、文部科学省が実施している試験で、れっきとした国家試験である。試験は年に2回ある。次は8月なので4ヶ月後だ。高校には2年生の3学期の途中まで行っていたので、試験の範囲は大体学習した所だった。いうことで、まだ未学習の範囲、そして苦手な理系科目を勉強する為今不破さんと本屋に来ていた。


不破さんは大学を出ているそうなのでオススメの勉強法を聞いたが、聞く相手間違ってない?と言われた。


「んや、でもそうか。聞く相手俺と明那しかおらんか。Aちゃん、たしか理系科目が苦手なんよな?」
「はい、文理選択でも理系が無理すぎて文系に逃げたんですよ。」
「たしか明那理系だった気するけどな。明那に勉強教えて貰えるか聞いてみるか」


それから本屋で参考書や、問題集などを買い、その後に1週間分の食料をスーパーに買いに行った。


「不破さん、あんまり飲むと体に良くないですよ。」
「これないと元気出んのよなぁ。しゃーないしゃーない。」


ドリンクコーナーで止まって何にしようかとキョロキョロする不破さんに声をかけると、不破さんは笑いながらそう言ってエナジードリンクを何本もカゴの中に入れる。ほとんど毎日飲んでるし、いつか絶対に体に不調が出る。止めたいのは山々だが、こうやって毎回すり抜けられる。私はこれ以上は立場的に言えないし、困ったものである。


ドリンクコーナーを超えて、お魚コーナー、お寿司のコーナーに来た時足が止まった。うわぁ、この寿司美味しそう。でも食費抑えるためにダメだダメだと首を振る。それから進もうと歩き出したが不破さんの姿が見えない。


「不破さん?」


そう振り返ると、不破さんは私が見ていた寿司をじっと見ていた。そして、私が近寄ると私の方を見て"今日寿司食べに行こうや"と言った。私が見ていたことに気がついて、そう言ってくれたのだと思って、申し訳なくて口を開く。それもあるけど、と言葉を付け足して不破さんは笑ってこう言った。


「俺も食べたいんよ、ダメ?」


結局その日は、問題集と食料を家に持って帰った後、少し家から離れた寿司屋に行った。寿司は勿論美味しかった。

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作品ジャンル:恋愛
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蒼井(プロフ) - 狛希さん» 狛希さんコメントありがとうございます。読んでいただいて、その上嬉しいコメントを下さって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2月6日 17時) (レス) id: 5ecf86ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
狛希 - 初コメ失礼します。更新されたところまで読ませていただきました!夢主さんとの心の距離がどんどん離れていくような描写がすごく心に残りました。この作品が好きです! (2月6日 16時) (レス) @page23 id: 81e78c7a48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/  
作成日時:2024年1月15日 18時

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