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全部、全部、悪い夢 ページ7

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このまま溺死したら不破さんは私の後を追ってくれるかな、なぁんてそんなわけないか。ちゃぽん、と湯船に浸かりながらそんなことを考える。仕事そろそろ終わる時間だなぁとスマホを手にして来ていたメッセージは、"今日アフターあるから帰るの遅くなる、ごめんね"というものだった。それが悪いとか、やめて欲しいとかそうのでは無い。だって仕事だし。私は居候の身でもあるし、彼に言える立場ではない。けど、やっぱり少し寂しい気持ちになるのは許して欲しい。


今頃女の人と歩いてるのかなぁ、なんて考えると胸が痛くて、ずっと気付かないふりをしてきたけれどこれはやっぱり恋なんだろうなって自覚する。でも、それが報われない恋だということも理解しているのだ。彼は優しいからここに私を置いてくれている。本当は嫌かもしれないけど、彼は私を否定しない、絶対に。だからこそ、この恋心は彼にバレてはいけないのだ、隠し通さなければいけないのだ。彼はホストだし、顔も整ってるし、たくさんの告白を受けてきたのだろう。でも未成年だし、歳も離れているし、迷惑しか掛けていない私に、好意を向けられてると知れば彼はきっと困るはずだ。しかも一緒に住んでるし。

だからやめようと思った、彼を好きになることを。押し殺そうと思った、彼を好きな気持ちを。

けど、出来なかった。一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、私の気持ちは加速していった。

だから、







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「っわ、…どしたん?」

玄関のドアを開けると、Aちゃんが飛び込んできた。いつもは玄関を開ける音を聞いて来るのに、今日は開けた瞬間来た。

「ここにずっとおったん?」

コク、と頷く彼女の頭を撫でると、胸に頭をグリグリ押し付けられる。かわええな、と思いながらまた頭を撫でる。中々離れない彼女に声をかけようとすると、今日だけだからとAちゃんは抱きついている手の力を強くした。

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作品ジャンル:恋愛
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蒼井(プロフ) - 狛希さん» 狛希さんコメントありがとうございます。読んでいただいて、その上嬉しいコメントを下さって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2月6日 17時) (レス) id: 5ecf86ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
狛希 - 初コメ失礼します。更新されたところまで読ませていただきました!夢主さんとの心の距離がどんどん離れていくような描写がすごく心に残りました。この作品が好きです! (2月6日 16時) (レス) @page23 id: 81e78c7a48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/  
作成日時:2024年1月15日 18時

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